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休日の昼下がり。外は風が強く、ふたりと一匹は家の中でぬくぬくと過ごしていた。
ソファに並んで座るフランスとイギリス。
フランスはイギリスの肩に頭を預けて、幸せそうに目を細めている。
フランス「……ん~……やっぱりイギリスの肩って、ちょうどいい高さなんだよね~」
イギリス「……はあ? そんなこと言われても、反応に困るんですが……」
フランス「素直に嬉しがってくれていいのに~。ほら、もっとくっついてよ。寒いしさ」
イギリス「……あのですね、フランスの方からベッタリ寄ってきておいて、それはどうかと……」
それでもイギリスは、まんざらでもなさそうに体を少し寄せる。
顔は赤い。耳も赤い。だけど口調はいつも通りのツンデレ敬語。
そんな二人の足元。ふわふわのクッションの上でまどろんでいたミルが、ふと目を開けた。
ミル「…………」
じっ、と。ふたりを見つめる丸い目。
一瞬後、するりと立ち上がると、ミルはふたりの間にむかってまっすぐ突進した。
フランス「ん? あれ、ミル、どうしたの?」
イギリス「ミル……?」
ミルはそのままふたりの膝にぴょんと飛び乗り、器用に間に割って入る。
そしてフランスの膝の上にドシッと座り、尻尾でイギリスの腕をぱたぱたと叩いた。
イギリス「……ちょっ……どいてもらえますか、ミル……」
フランス「あはは、なにこれ、まさかヤキモチ?」
イギリス「……そんなわけないでしょう。猫が、そんな……」
フランス「いや、絶対ヤキモチでしょ。ほら、この顔、すっごい不満そうだよ?」
ミルは、イギリスをじーっと睨むように見上げたあと、前足でフランスの胸をふみふみとし始めた。
イギリス「…………」
フランス「……うわ~、これは本格的に“構ってアピール”じゃん……かわいい……」
フランスがニコニコしながら撫でると、ミルは「ぐるるる……」と喉を鳴らす。
それを見たイギリスは、少しだけ目を細めて──
イギリス「……ずるいですね、君ばっかり……」
フランス「え、イギリスも構ってほしいってこと?」
イギリス「ち、違いますけど!?」
ぷいっとそっぽを向くイギリスの頬は、ほんのり赤くなっていた。
ミルはその様子に満足げに目を細め、フランスの膝の上でとろけるように丸くなっていく。
フランス「……ああもう、僕もミルもイギリスも、全部かわいくて困るわ」
イギリス「……知りません……」