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#シクフォニ
ぽん
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👑 「……好きなんだ。」
その一言は、教室の後ろから聞こえてきた。
放課後。
みんなが帰り支度をしている中、こさめは忘れ物を取りに教室へ戻ってきた。
本当なら、そのまま入るはずだった。
でも。
「誰?」
👑「言わない。」
聞き覚えのある声に、足が止まる。
みこちゃんだった。
ドアの向こうで、友達と話している。
「えー、教えろよ。」
👑「絶対やだ。」
「同じ学校?」
👑「うん。」
こさめは動けなかった。
別に盗み聞きするつもりなんてなかった。
でも、足が床に縫い付けられたみたいに動かない。
「じゃあ同級生?」
👑「……まあ。」
「可愛い人?」
少しだけ間が空く。
それから、みこちゃんは笑った。
👑「可愛い。」
胸がちくりと痛む。
どんな人なんだろう。
きっと笑顔が似合う子なんだろうな。
みこちゃんがそんな風に笑うくらいだから。
「告白しないの?」
👑「したいけど。」
「けど?」
👑「今の関係壊れたくない。」
その言葉だけ聞いて、こさめは静かにその場を離れた。
これ以上聞いたら。
たぶん。
泣く。
帰り道。
空は少し曇っていた。
イヤホンを耳に入れても、音楽なんて全然頭に入らない。
みこちゃんに好きな人がいる。
その事実だけが何度も頭をよぎる。
🦈「……そっか。」
分かってた。
みこちゃんは優しいし、かっこいいし、人気もある。
好きな人がいても全然おかしくない。
なのに。
勝手に期待していた。
もしかしたら。
なんて。
ありもしない可能性を。
次の日。
👑「こさめちゃん!」
朝から元気な声。
教室へ入ると、みこちゃんが手を振っていた。
👑「おはよう!」
🦈「……おはよ。」
👑「眠そう?」
🦈「ちょっと。」
👑「昨日夜更かしした?」
🦈「うん。」
嘘。
眠れなかっただけ。
👑「今日帰り、一緒に帰ろ?」
いつもなら。
迷わず「いいよ」と答える。
でも。
🦈「ごめん。」
👑「え?」
🦈「今日は一人で帰りたい。」
みこちゃんは少しだけ驚いた顔をした。
👑「そっか。」
笑った。
いつも通り。
その笑顔が、今日は苦しかった。
それから数日。
こさめは少しずつ距離を置いた。
一緒に帰らない。
昼ご飯も別。
話しかけられても、短く返すだけ。
このまま離れれば。
きっと忘れられる。
嫌いになれる。
……そう思った。
👑「こさめちゃん。」
放課後。
誰もいない廊下で呼び止められた。
振り返ると、みこちゃんが立っていた。
👑「最近避けてる?」
🦈「……避けてない。」
👑「避けてるよ。」
困ったように笑う。
👑「俺、何かした?」
その一言で。
胸が締め付けられた。
何もしてない。
悪いのは全部こさめだ。
勝手に好きになって。
勝手に期待して。
勝手に傷ついて。
🦈「……してない。」
👑「じゃあなんで?」
答えられない。
言えるわけがない。
『好きだから。』
『好きな人がいるって聞いて苦しかったから。』
そんなこと。
友達にも言えない。
🦈「……ごめん。」
それだけ残して、こさめは走り出した。
👑「こさめちゃん!」
後ろから呼ぶ声。
でも振り返らなかった。
振り返ったら。
全部こぼれてしまいそうだったから。
家へ帰る途中、小さく雨が降り始める。
傘なんて差さなかった。
どうせ濡れるなら。
涙も雨も、区別なんてつかないから。
空を見上げて、小さく笑う。
🦈「……いっそ。」
嫌いになれたなら。
こんなに苦しくなかったのに。
みこちゃんに好かれる人が羨ましい
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