テラーノベル
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その日は真昼だと言うのに燦々と雨が降り注いでいたコンクリートで造られた中世の城の様な景観の絢爛な建物の色を濃くして素粒子まで食い込んだ神様の涙はその中央で項垂れる男の心に深く突き刺さった。
内装は木で作られた量産型の長椅子が建ち並ぶ中天からの恵みをステンドグラスが七色に彩っていた。冷徹な床に映し出されたロザリオに縋る様に人々は首部を下げて柩に縋り付く。
諟、何時もとは違うのはその棺が五つも並んでいると言う事だった
ポートマフィア幹部である中原中也は自身の親友達の突然の知らせに心を痛めつつ、それよりも彼等の婚約者であり中也にとって兄嫁に近い関係性にある明博の事を気にかけて病まなかった
____三時間前、式の下準備の前からこの五つの揺籃の前で彼は項垂れたまま動かないのだ。しかし、耳を澄ませば彼の小さな嗚咽が聞こえて来る。自分の所為で五人を死なせてしまった事もあり中也は明博に寄り添い、ずっと背中を摩っていた。
聖歌隊の鎮魂歌もいよいよ三部が交わり一番の盛り上がりを見せた頃、教会の扉が開いた‥厭、壊された
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