この作品はいかがでしたか?
46
この作品はいかがでしたか?
46
昔々、あるところにメリアという、
神から愛された特別な女の子がいました。
メリアは心優しく、
そのため街の人からも愛されていました。
ある時、メリアは弱々しい木の精霊と
風の精霊に出会いました。
メリアは自分の持っている特別な力を
2人の精霊に分けました。
すると2人の精霊は元気になり、
メリアと仲良くなりました。
メリアと精霊たちが仲良くなってから
月日が経ったある日、
精霊たちは 他の精霊も
力を失いつつあると告げました。
メルアは、他の精霊の力になりたいと
思い、 精霊たちとともに旅をしました。
メリアは旅の途中で様々な精霊に
自分の力を分けました。
いつしかメリアの力はなくなりました。
しかし、旅の途中で仲間になった、
水や火、岩と雷、花や土、
そして風と木の精霊たちは、
大精霊という精霊の王様になって、
悪いものからメリアを守りました。
月日が流れ、メリアは
死んでしまいました。
隣の国の臆病で誰からも嫌われていた
意地悪な貴族の息子が、
精霊を襲おうとしたところを
メリアが庇ったからです。
精霊たち、街の人達は悲しみました。
精霊たちは助けてくれたメリアのことを
忘れないように、大精霊になったら
メリアが好きだったバラの品種、
彩という名前をつけるようになりました。
メリアの仲間だった、水や火、岩や雷、
土と花、 そして風と木の精霊たちは、
それぞれ、彩水、彩炎、彩岩、彩雷、
彩地、彩花、 彩風、彩樹と 名乗りました。
しかし、大精霊達はメリアが死んでしまい
もう会えなくなってしまったことが
悲しくて自分たちの全ての力を使って
自分たち自身とメリアに 強い転生魔法を
かけて 消えてしまいました。
その時街の人はこれらの事を
後世に語り継ぐことにしたのでした。
――――――――――――――――――――
「おしまいおしまい。それにしも、アヤはこのお話が好きね。もう何回も読んでるけど、飽きないの?」
そう言ってお母さんは優しく私の頭を撫でる。
「うん!このお話のメリアって子が 好きなの! いつか私もメリアみたいに優しい子になりたいんだ。 」
私がそう言うと、母は満面の笑みを浮かべて、
「そうなのね。大丈夫、きっとアヤなら優しい子になれるわ。だって今でさえこんなに優しいんですもの。」
と言い、ぎゅっと私を抱きしめる。暖かくて愛のある手で私を包み込んでくれる母が私は大好きだ。いつもお話が終わったあとこうしてくれるから、このお話が好きというのもあるくらい。もうひとつ、このお話が好きな理由といえば懐かしいという感じが何故かするということだろうか?このお話の、特にメリアが精霊を庇うシーンでは懐かしいと思うことがよくある。そして不思議なのは、そのシーンのような夢をよく見るということ。
??「ーー!やだ、死なないで!!」
??「お願いだから逝くなよ!ーー!」
誰かは知らないが、 ずっと最後までそう叫んでいる夢。 3歳の頃からずっとこの夢を見ている。残念ながら原因は分からないままだ。とある本では、前世の記憶とか書いてあったけどホントのとこは分からない。
「?アヤ、どうしたの?そんな思い詰めた顔して」
「な、なんでもないよ、お母さん!」
必死な笑顔で答える。よし、良かった。バレていないようだ。この人は私のお母さん、ウェルシェ・ロリード。昔は騎士団長で相当強かったらしい。今は怪我を負って私とお父さんと3人暮し。私のお父さんはエル・ロリードといい、 現役の皇帝に仕える近衛騎士でとても強い。お母さんとは戦場で知り合ったとか。まあそんなお父さんは騎士でもあるが 領主でもある。なのでロリード家はちょっとした貴族なんだって。そんな二人の間に産まれたのがこの私 アヤ・ロリード。この後、大変なことが待ち受けているのを知らない10歳の子供である。
――――――――――――――――――――
気づけば私は14歳になっていた。この歳になると色々とこの世界のことがわかってくるのだが、残念なことに、私たちの国の未来はそこまでいいとは言えないらしい。この世界には人間族、亜人族、精霊族、魔人族が存在する。大昔はそれぞれの種族で争っていたが、メリア・ソリアンブルという1人の少女と大精霊たちの手によって丸く収まったそうだ。だがしかし、彼女の死後、魔族は手を裏返し、再び三種族の領地を侵食していった。そこで精霊の力が使える人間族と、精霊族は同盟を組み、精霊契約の儀式をすることとなった。精霊契約の儀式とは、人間が精霊と契約し、己の魔術を飛躍的に高めることが出来る儀式のことで、一般の人は大体3人の精霊と契約する人が多いが中には4、5の精霊と一度に契約する人もいるらしい。まあほんのひと握りだけど。でも私のお母さんは4人の精霊と、お父さんも5人の精霊と契約している。ちょっと誇らしい。また、他にも聖霊というものも存在する。精霊と読みは同じだが、聖霊は精霊の上位種すなわち大精霊と同じで、それ故に様々な次元が違うらしい。聖霊と契約となると契約者は異次元の力が手に入るのだとか。でもそれは数百年に1人いるかどうかぐらい珍しいらしい。古い遺跡から出てきた書物によると神と契約した人もいるみたいだけどみんな居ないと思ってる。魔族の侵略が進んでいる今、少しでも精霊契約をして力になれたらいいと思う。そして明日は念願の精霊契約の儀式がある。「どんな精霊であれ、仲良くなれたらいいな。」と私は思うのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!