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転校生ってだけで人がいっぱい集まるのに新一は(お父さんも)超有名人だもんね……そりゃ人もいっぱい集まるよね……💦 助けるためとはいえ何気なく2人っきりになっちゃう快斗だけど、それが原因で更にバレることもあるのでは……?って思ったけど、新一もまだ快斗野正体を言わないつもりっぽいし…… え、ビックジュエルを狙う組織の壊滅……!?キッドが……!?もしかしてそのために転校してきた、のかな……🤔🤔
HR終了後、新一が真っ先に声をかけた相手は快斗だった。
「黒羽さん?昨日教室にいたよな?」
「黒羽でいいよ、工藤。確か昨日先生と校内巡ってたよな」
動揺をポーカーフェイスの内側に隠し、何事もないかのように返事をする。
「ああ。黒羽、あの距離だと俺とそっくりだと思ったんだけどよ…」
「至近距離だと双子ほど似てるってわけでもねーな。せいぜい兄弟くらいか?」
そうだな、と二人で納得している間に紅子が何やら突然笑い声をあげた。
「おーほっほっほ!”光の魔人、月下に現る” が実現してしまいましたわ!」
「紅子さんですよね?それってどういう意味なんですか?」
「それはあなた自身で考えた方がよろしくてよ」
(おそらくそれはまだ実現してねーよ)
これを思ったのは果たしてどちらであったか。一方は未知の世界から気分が高揚し、もう一方は恐怖から首をすくめた。
「工藤新一って高校生探偵やってるんだよなー?」
「テレビで見たことある!お父さんも有名な作家さんでしょ?」
「俺、闇の男爵(ナイトバロン)持ってるぜ!」
少し目を離した隙に、クラスメイトに囲まれた新一は困った表情で答える。
「あはは、そんなに俺有名なの?
父さんも喜ぶよ、ありがとう」
クラスメイトは、次々と新一に覆い被さり、快斗の方にまで侵略してきている。
(ちぇっ、有名人はやっぱちげーな)
心の中で悪態をつきながら新一の方へ視線を傾けると、新一が快斗に助けを求めるような表情を向ける。
(…こいつ…っつーかなんでオレなんだよ!……しゃーねえな!)
「おい、工藤!行くぞ!」
「え、ちょ、黒羽!」
(なんだよその反応は!オメーが助けを求めたんだろーがよ!)
「快斗くんが独り占めするの?ずるいよ!」
「そーだぞ快斗!」
「わりいな!こいつに用事があるもんで!」
好敵手を助けるのは癪に触るが、今までもお互い助け合っていたのだから今更だと自分に言い聞かせ、新一の腕を引っ張り、尻尾をまいて逃げ出した。
「わりぃ、黒羽。助かったよ」
「いいよお礼なんて。それにしてもめちゃくちゃ人気だったな?」
「ああ。ほとんどが父さんのファンだったけど。」
オメーのファンも沢山いるんだぞ?と茶化せば、新一はさも煩わしいと言った顔で快斗に告げる。
「俺のファンなんていらねーよ。」
「ああそうですか、名探偵サン?」
女の子好きを豪語している快斗には嫌味のように聞こえたのか、煽るように返事をすると、新一は目を丸くする。
(またこの気配…こいつは隠す気あるのか?)
快斗は、きょとんとした新一を見つめ、ハッとする。
(やべえ、早々にボロだしちまったか?黒羽快斗として名探偵と一緒にいるとどこか調子狂うな…)
「名探偵って大げさなんだよ。そう呼ぶのはオメーとキッドくらいだぜ?もっとも、黒羽とキッドでは全然似てねえけどな」
「オレはキッドのファンだからさー、似てたら嬉しかったんだけどなー」
がっくりと肩を落とすように言うと、新一は、キッドがキッドのファンとかどんなんだよと含みを込めた笑みをこぼす。
「…さてと、工藤。ここら辺でも散策するか?」
「名案だな。案内してくれないか?」
話した限り、今のところ、正体を知られている可能性は五分五分といったところだろう。
名探偵のこいつは証拠が集まるまで快斗を問い詰めることはしない。これは更なる対策が必要そうだと胸に刻み、切り替える。
一方、新一は目の前にいる黒羽快斗…もとい、怪盗キッドにどう協力してもらおうかということを探っていた。
(怪盗キッドさんよ。嘘がお上手だな。)
貴方はビッグジュエルを狙う組織を壊滅させる重要なキーになっているのだから、頑張ってもらわないと。
続く