テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ゲスト
225
#意味不明☆
William
15
第1話
死のう。そう思った。別に、虐められている訳でも、過度の虐待を受けている訳でもない。ただ、不意に自分の必要さが感じなくなっただけだ。
元々必要なんて思われていなかったかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
死。
今までそんなこと考えたことがなかったから、どうすればいいか分からなかった。
だからネットで調べたり、初心者なりに考えたりした。
現代は便利になったものだ。調べればわんさか出てくる。
中には「死なないで。」などの記事も出てくるが、そんなの眼中にもない。
そんななか、あるひとつの投稿が気になった。
″終末旅行″というものだ。
どうやら、一人で旅に出て、その先で死ぬらしい。皆、最後くらい一人で自由になりたいそうだ。他にも、
「最後くらい好きなところに行きたい。」、
「綺麗なところに行きたい。」、
「知らないところに行きたい。」
と、様々なことを書いていた。
「知らないところね、。」
私は、今までひとりで遠いところへ行ったことがなかった。
まあ、そうだろう。まだ中学生なのだから。まだ未熟だ。
…….不意に、海が見たいと思った。なんだか緑も見たい。
海、自然、私が一番嫌いな組み合わせだったはずなのに。
何故、今まで行きたくなかったのだろう。
………………..
そうか、″迷子″になるのが怖かったからだ。
迷子になると帰れなくなる、ひとりぼっちになる。それが怖かったからだ。
なんと臆病なものだろう。やはり、私は弱いのだろう。
だが、今は違う。もう、帰らない、一人になりたい、誰にも見つかりたくない。
そんなことを思っていた。自分でも少々驚いた。
人は、死を目の前にすると変わってしまうのか。
不思議なものだ。
そうこうしているうちに、時刻は深夜を回っていた。
親は出張で1週間いないので、別に大したことでは無い。
明日、旅に出よう。
おやすみ、世界。
コメント
1件
寺島あおいです🤍 第1話、読ませていただきました。冒頭の「死のう」という一文から、一気に心掴まれました。中学生の語り口なのに、諦めにも似た静かな覚悟が印象的で。「迷子になるのが怖かった」という過去の自分と、「もう帰らない」という今の自分が対比されていて、胸が締め付けられるようでした。「おやすみ、世界」——この別れの言葉に、やりきれなさと美しさが混ざっていて、続きが気になって仕方ないです。