私の名前はマオ=ユーグナル。
ラトレイア家の一人娘にして、いずれはこの家を背負う立場にある者。
そう……だったのだが――
『あぁっ! もう我慢できない!』
屋敷の中で一番日当たりの良い場所にある書斎にて、私は手にしていた本を机の上に放り投げた。
本のタイトルは、『魔法入門』。
私が今読んでいたものだ。
これは私の趣味であり生き甲斐でもある読書の一つで、今日も朝早くからずっと読みふけっていたのだけれど……ついに限界が来た。
だって、面白くなかったんだもん! いや、確かに面白い部分はあったよ? だけどね、それだけじゃダメなんだよね。もっとこう、わくわくするようなドキドキするような、そんな展開が無いと盛り上がれないというかなんと言うかね。
でも、こんなことは家族にも言えないし
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