💛side
目黒と阿部の連絡を受けて、俺は猛省した。
翔太への俺の気持ちは押し付けになってしまっていたのかと。翔太のペースに合わせて、もう少しゆっくり、着実に進んでいこう…。
万が一の時のために、寝室には愛し合う準備はしてある。でもそれらが活躍するのは当分先のことになりそうだ。身体を重ねないと愛を感じられないなんて偏った考え方はもうやめて、翔太の内面をもっともっと愛そう、と思う。
それにしても、あのふんわりとした柔らかい髪、涼やかなのに可愛らしい目元、透き通った鼻筋、ぷくりとした唇、そして最高のアクセントである唇の上のセクシーなホクロ。
そのどれをとっても、渡辺翔太という男は魅力的だ。そして、人を寄せつけない美しさを持ちながらも、内面が本当に純粋で可愛らしい。
内面と外見のギャップが翔太の最大の魅力だと思う。そのアンバランスさに、俺は惹かれ、毎日手を焼いている。
ああ、それでもいつか、翔太の全てを愛し尽くしたいと思わずにはいられない。
💙ただいま
玄関から帰って来た翔太に、おかえり、と言う。ほんの少し、翔太の顔が赤い気がする。
💙どこ行ってたか、聞かねーのかよ
💛あ。どこ行ってたの?
💙さては、めめたちから連絡来たな
どきっとする。
💛え?なんで?
💙どっか寄って来たら必ず遅くなった理由を聞くくせに今日は聞いて来ない
💛……………
自覚がなかったので驚いた。翔太の所在確認、そんなに頻繁にしていたっけ。俺って重い男なのかな。確かに佐久間やみんなにも重いと揶揄われたことはあるけど…。
💛あの…ごめん。色々
💙もーいいよ。俺も悪かったし
翔太は自分の家のように冷蔵庫から水を取り出し、飲んでいる。そしてそのままソファに座っていつものように寛ぎだした。
まだ付き合ってそんなに日も経ってないのに、俺の家の方が休まるとかいう謎の理由で、翔太は俺の家に入り浸っていた。
別々にいればここまで接触を求めることもなかったろうと思うと、翔太のその無自覚な隙が悩ましくもあった。
それから適当にテレビを見たり、話をしたりして、交替で風呂に入って、寝る時だけは隣りに寝た。
今の家に引っ越した時にリラックスしたくて買った大きめのベッドは、二人で寝ていてもそこまで狭くない。というか、意識してくっつかない限り、ほとんど別々で寝ているのと一緒だった。
暗闇の中で、翔太の息遣いを感じながら、今日も一緒にいられてよかったな、楽しかったなと幸せを噛み締めて目を閉じた。
確かに隣りに誰かがいることで、こんなにも穏やかな気持ちで過ごせるのなら別にこれでいいのかもしれないと思いかけた時。
💙今日は、触って来ないの?
と、翔太にいきなり聞かれた。
💛え、起きてたの?
💙ん
💛翔太が嫌がることはもうしないよ
俺は努めて優しく応えた。
💙我慢してない?
してないよ、は嘘だ。さっきまで穏やかで隣りにいるだけでも…とか殊勝なことを思ったけど、大好きな翔太に改めてどうなんだと問いただされると、やっぱり触れたいし、愛したくなってしまう。
どうしてこの欲から逃れられないんだろう。
翔太の声に、その甘えたような音の響きに、俺のいけない下半身が反応を始めている。
💙照?寝たの?
💛ね、寝てないよ
💙手、繋いでもいい?
そう言って、翔太は手を伸ばして、俺の手を探し始めた。ようやく探し当てて、翔太は指を交互に絡ませて恋人繋ぎをした。日中は絶対に手を繋いでくれないし、恋人繋ぎはたぶんこれが初めてな気がする。
もうだめ。
もう本当に勘弁して欲しい。目黒や阿部に俺が怖いと言っていたと聞いたが、行動が矛盾している。どうして急に甘えてくるんだ…?
💙おやすみ
💛えっ!寝るの?
💙ん?寝るよ。ありがとう、おやすみ
そうして、翔太は黙って、しばらく経つと本当に寝息を立て始めた…。
はい。案の定、寝不足デス。
翔太はゆっくり眠れたようで、寝癖ボサボサの頭をニット帽で隠し、朝方、さっさと帰って行きました。
結局帰るならなんでいちいち俺の家に寄るんだろう。
💛今度から出禁にしようかな…
できもしない憎まれ口を叩いて、俺は眠い目を擦り、仕事に行く準備を始めた。
コメント
8件
かわいいかわいいかわいい!!!!🤦🏻♀️🤦🏻♀️
はぁ〜💖2人ともかわいい しょっぴー罪な人ですね😅 手を繋いで寝たいとかかわいい