TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

The Woods

一覧ページ

「The Woods」のメインビジュアル

The Woods

3 - コフィンロック

2024年02月14日

シェアするシェアする
報告する

「皆さん、ここが魔女が子供達を埋葬したとされるコフィンロックです。この地では魔女に連れさられた子供達が大量に埋葬されてるという噂で、子供達の怨念が今も残っているとか。」

「ここ、コフィンロックには、もともと家屋があったのです。1人の探検家が家屋に入ると、皮を剥がれた鹿や熊、そして子供達の遺体が大量に並べられていた。その多くは内臓がなく、引き抜かれた内臓は天井から吊るされていた。」

「その出来事がここ、コフィンロックで起こっていたのです。この事件は、当時多くの人々を震撼させた事件でした。」

私達はコフィンロックで起きた事件をドキュメンタリー風に撮影した。このブラックヒルズの森では過去に3つの事件が起きている。バーキッツヴィル事件とラートリー失踪事件、そしてコフィンロック事件だ。どの事件も失踪した人達は見つかっておらず、手掛かりも見つからなかった。

「もう撮るものも撮ったし帰ろう、暗くなってきたしな」

「そうね。帰りましょう、マイクもそれでいいよね?」

「ああ、いいよ」

私達は一通りの映画撮影を終え、森から出る事にした。この森は昼間は美しい森なのだが、夜になると不気味さが異常だ。

「とりあえず、一旦ここにテントを張ろう、ここで一夜過ごすんだ、明日森から出よう。」


「そうね、夜に行動するのは危なすぎる。」

私達はテントを張った。疲れていたのか、気づけば眠っていた。


「おい、おい!」

「なんだよ? 」

「聴こえるか?」

耳を澄ますと、そこら中から木が倒れる様な音がする。何かが走り回る音もする。何なんだろうか。


「何、この音。何がいるの?」

「これ、子供の声じゃないか?」

確かに複数の子供の笑い声の様なものがそこら中から聞こえる。

「こんな森にこんな時間に子供がいるわけないだろ!」

確かに森に子供がいる時点でおかしいと言うのに、この時間帯にとなると不可解だ。そんな事を考えていると、複数の子供らしきそれらがテントを壊そうとして来たのだ。不気味な笑い声をあげながら。

「クソ!何なんだよ!」

「とりあえず皆んな逃げろ!逃げろ!」

「ジェリー!マイク!早く!」

私達は無我夢中で走り、疲れで倒れ込むまで走り続けた。そのままそこで一夜を過ごした、誰も一睡も出来なかったが。



「あれは何だったんだ?」

「とりあえずテントに戻ろう。」

テントに戻ると、木で作られた様な簡易な人形と小さな石の山の様なものが人数分設置されていた。

「何なんだこれ。呪いの人形か?」

「この石の山、コフィンロックにあったやつとにてる。」

「本当だ。」

コフィンロックの石の山と酷似している物が人数分ある。その事実だけで、不吉さが押し寄せてくる。( 早くこの森を出ないと) 私はそう思った。

「行こう、早く車まで戻ろう。」

私達は今日中に森を抜けるため、車まで戻ることにした。こんな森とは早くおさらばしたい気持ちでいっぱいだ。


「なあ、まだ車にはつかないのか?」

「もう少しよ、あと1時間くらいかな」

「その地図本当にあってんのか?」

「合ってるわよ、大丈夫」

私は小さい頃から登山や、森の中を散歩するのが好きだった。なので森の中での地図読みは大の得意技なのだ。しかし不思議だ、同じ道のはずなのに何か違う、地図もあっているはずだ。なのに何か違和感を感じる。

「ほら、来た時に通った丸太、この道であってるよ」

「本当だ、よかったぁ迷ったかと思ったよ」

「先週のドラマ観たか?」

「観たよ、良いところで終わってたよなぁ、焦らすのが好きなんだよなあの監督」

「本当にそう思うよ」

私達は何気ない会話を交わしながら来た道を通り、森の出口へと向かっていた。もうそろそろ森から出られる頃だろう。

「なぁ、ここさっきも通らなかったか?」

「何言ってんの、来た道を歩いてるんだから当たり前でしょ?」

「いや、ついさっきここの道通ったって、あの木に見覚えがある」

「本当に大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫だから!」

確かに考えてみれば同じ道の気がして来た、でもそれはおかしい、真っ直ぐの道なのだ、同じ道を通るはずがない。でも見たことある景色が私達の前に広がっている、何なんだこれは。

「おい…。あれって。」

「嘘だろ?冗談だろ!?おい!さっきの丸太じゃないか!さっき俺達が通った丸太だよ!どうなってんだよ!おもしろくないぞ!」

「落ち着いて、そんなはずないわ。そんなはず、ないわ…。」

私はその丸太を確認した、同じはずがないからだ。私達は確かに1時間に丸太を通った、同じはずがない。同じはずがない、のに。

同じだった。

丸太の太さも、丸太に生えてるコケも、周りの景色も、何もかも。

「何なんだよ!なんで!」

「明日大事な試験なんだ!明日には帰らないとダメなんだよ!」

「今、試験の心配してる場合!?」

「正直に言えよ!迷ったんだろ!?隠すことないだろ!言えよ!」

私だって、みんなを森の外に出そうと頑張った。こんな意味のわからない現象が起きてもみんなを助けようと頑張った。なのになぜそこまで言われなければいけないのか?理解できない。私だけが悪いのか?みんなも協力してくれなかったのに。

「迷ったわよ!もうどこにもいけない!どこに行ってもこの丸太に行き着いちゃうんだもの!」

「なんなんだよ!これ!」

「この森から出られないのか?出ることは出来ないのか?」

「絶対出れる、とりあえず落ち着こう。」

「喚くのも疲れた、人間らしく考えて備えよう。最後の理性を保とう」

こんな森に入ったのが間違いだったのだ。私のプロジェクトでみんなを巻き込んでしまった。彼らの両親や私の両親に合わせる顔がない。どうしたら良いのだろうか。

森から出る事ができない、同じ道を歩く羽目になる。



この作品はいかがでしたか?

0

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚