番外編13 『担当執事がスマホから出てきた!?』After story
『……。』
『ここが君の住む家なのか?』
『は、はい…。』
(なんでこんなことに…。)
スマホの中からフィンレイ様が出てきた。
『すみません、私のスマホの調子が悪いのか…っ。』
『構わないよ。すぐに直るのだろう?』
『は、はい。明日の朝には戻れると思います。』
『そうか。ではそれまでお世話になるね。』
『は、はい。』
朝ご飯。
『簡単なものしか作れませんけど…。』
『いいや、美味しそうだよ。パンにベーコンエッグ…サラダにスープ…栄養が行き届いてる朝ご飯だね。』
『ありがとうございます…。』
(フィンレイ様は貴族だからこういった一般的な食事は慣れないよね…。)
『では頂こう。』
『いただきます。』
もぐもぐ…。
『んっ!』
『!!ど、どうしましたか?』
『この白いトロトロした物体……とても美味しい…。これはなんだ?』
『え、えっと、それはヨーグルトと言って…
桃やアロエ…色んなフルーツが入ってるフルーツミックスヨーグルトなんです。』
『ほぉ……。興味深いな…。』
(嬉しそうに食べてる…可愛いな…。)
私は微笑ましいフィンレイ様を見ながらご飯を食べる。
『ご馳走様。美味しかったよ。』
『ありがとうございます。食器洗うのでそのままで大丈夫ですよ。』
『いや、そういう訳にはいかない。手伝わせてくれ。』
『そ、そんな、貴族のフィンレイ様にそんなことさせられません。』
『大丈夫だ。私に任せてくれ。』
(フィンレイ様……。洗い物を先ず知ってるのかな?)
『今失礼なこと考えてないか?』
私の予想は当たり……フィンレイ様はお皿を割ってしまった。
『済まない…君の仕事を増やしてしまった。』
『き、気にしないでください。怪我してませんか?』
『あぁ。それにしても君の住む世界には召使いがいないのか?』
『はい。私はひとり暮らしです。』
『そうか…だから料理も洗い物もできるわけか…』
『あはは…まぁひとり暮らししていれば自然と身につきますから。』
『他に手伝えることはないか?せっかく君の世界に来たんだ。お手伝いさせてくれ。』
(フィンレイ様の目が輝いてる…。)
『えっと、それじゃあ洗濯物を取り込んで貰えますか?』
『任せてくれ。』
洗濯物を取り込み、洗濯物を畳む。
『ひとり暮らしというのは仕事が多いんだな…。全部一人でするというのは…』
『まぁ、そういうものですから…』
『誇らしいな。私は生まれた時から貴族だから身の回りのことは全て召使いに任せ……私は中央の大地の歴史や文化を知るために勉学に励み…統制するようになった。当主としてこれからも色んなことを勉強しなければならないな……。』
『フィンレイ様…』
『だから今日君の世界に来れてよかった。新鮮な経験が沢山できたからね。』
『ふふっ。ありがとうございます。フィンレイ様。』
昼ごはん。
『白いご飯に味噌汁に魚…。これはなんだ?漬物のようだが。』
『中央の大地では見慣れませんよね。これは和食と言って……。』
『東の大地で1度食べたことがある。でも君の世界のは今日が初めてだ。』
もぐもぐ……
『香ばしくてとても美味しい…東の大地では魚は塩焼きだった。これは……』
『照り焼きです。』
『なるほど…とても美味しいな…。』
(可愛いなフィンレイ様。もぐもぐ食べてくれてる。)
夕方。夜ご飯の材料を買うため、買い物に出かける。
『先程から視線を感じるのだが……』
『それはそうですよ…。夜ご飯何か食べたいものありますか?』
『そうだな…。ディナーショーで食べたたこ焼きを食べてみたいな…。』
『ふふ、お気に召したみたいですね。』
『では私はタコを探してこよう。』
『ちょ、フィンレイ様ー!』
フィンレイ様はスタコラサッサと走っていってしまう。
『どこ行ったんだろう……』
『すまない。この店のタコをあるだけ頼めるかな?』
『あ、あるだけですか?』
『フィンレイ様ー!そんなに要らないですー!』
『また空回りしてしまったな…君には迷惑かけてばかりだ。』
『あはは…仕方ないですよ。』
(お金持ちがよくやるここからここまでをやろうとしてたし……。大事になる前に止めてよかった。)
そして夜ご飯はタコパをすることに。
『美味しい…。また食べられるとは思わなかった。』
『喜んでくれてよかったです。』
そして、夜になり…。
『フィンレイ様はベットで寝てください。』
『でも君の寝る場所が……』
『私は布団で寝ます。』
『いくら私が貴族でも女性の君に布団に寝かせる訳にはいかない。私が布団で寝よう。』
(グロバナー家の人にバレたら私怒られるな…。)
私はその夜、一睡も出来なかった。
翌朝。
『では失礼する。貴重な経験をありがとう。悪魔執事の主。』
『は、はい。お気を付けて。』
めでたしめでたし…
コメント
4件
フィンレイ様可愛すぎるやっぱり可愛いですね、いつもキャラが出てきたみたいにそっくりなので読んでて微笑みが出てきてしまうですよ、それぐらいこの小説が大好きです、頑張ってください