モモと太郎は廊下を歩いて行き、花の待つ部屋の前へとたどり着いた。
コンコン。
「花ー、入るよ。」
モモが部屋のドアを軽くノックしながら、中にいる花に呼びかける。
するとすぐに中から返事が返ってきた。
「モモさん!大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。太郎だった。」
「太郎?」
「そ!開けるよ。」
「は、はい。」
ガチャ。
モモがドアを開ける。
「花!」
「太郎!どうしたの?まだ約束の時間ではないでしょう?」
「実は・・・」
驚きの声を上げる花に太郎が先程モモにしたように、花にも何故早く来たのかを説明した。
「そうだったの。」
「ああ。」
「じゃあウチは部屋の外に出てるから。太郎、帰る時は声かけてね。」
「あ、モモさん。分かりました。ありがとうございます!」
「ん。」
太郎達に背を向けながら、モモはヒラヒラと手を振り部屋をあとにした。
部屋を出る際モモは、ちらっと太郎達の方を見ていた。太郎が花を抱きしめており、抱きしめられている花は一見表情が変わっていないように見えるが、モモには嬉しそうに見えたのだった。
パタン。
部屋を出たモモは、部屋の向かい側の壁に背中を預け体育座りしながら、先程の太郎達の事を思い浮かべる。
(あーあ。毎回毎回あんなの見せられたらさ、ウチもオカルンに会いたくなっちゃうじゃん。)
モモは体育座りしたまま小さな声で一言呟いた。
「オカルン・・・会いたい。」
そう一言呟いて、モモは顔を埋めゆっくりと瞳を閉じた。
コメント
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やばい…さいこーです