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私の脳内で緊迫感のある戦闘BGMが流れている。
今日は不戦勝で証拠ゲットよ!!
「ああ。ただいま」
建真は穏やかな返事を寄こしてきた。あれ。なんかいつもと違うな…。
もっとこう、ほら、いつもみたいに『お前となんかデキねえよ』とか『頭悪いな』とか、そういう類でガンガン攻めてきてよ~!
そっちが来ないなら、こっちから行くわよ!!
「あの…建真。今月生活費が足りなくて…用立てして欲しいんだけど」
「いくら?」
んっ…なに、その返しは!?
思っていたのと違う…(汗)
「あ、えっと…1万円ほど……」
いつもおねだりするのは最高額でも5千円!
1万円となったら烈火のごとく怒りだすに違いない!
さあ~、建真の怒り具合はこのスマートウォッチがバッチリ撮影しちゃうよ~!
「ん」
鞄から財布を取り出し、1万円を抜いて私にくれた。
ええ――!?
なんでっ。
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてると顔をしかめられた。「いらねえの?」
「あっ。いるいる、いります!!」
慌てて姿勢を正してありがたく受け取ると、建真は私の手元をしげしげと眺めて言った。
「紀美、その時計どうしたんだ?」
ぎくぅ――――!!!!
「なんかいい時計してるじゃん」
「あ…あのこれは…」
「なに? 買ったの?」
ぶんぶんと首を振った。あんたを仕留めるための道具だなんて、口が裂けても言えない…!!
「じ、実はこの前の懇親会で、わ、私…た、誕生日だったから、会社のみんなから、って…」
正直者だから嘘を吐くのがドヘタな私は、しどろもどろになって言った。
「ふうん。ま、紀美に似合ってないから俺がもらってやるよ」
「え!!??」
思わず大声が飛び出た。いやいや待って! これはあなたの証拠集めのために買ったもので…って言えるかぁ――――!!!!
「あのでも…せっかくもらったから…」
「つべこべ言わずに寄こせ」
――建真が紀美の時計を奪った!
――紀美は『スマートウォッチ』を失った!
「風呂入って寝る」
建真は去っていった。
――戦闘終了
あああせっかくのスマートウォッチがぁぁぁぁぁ、速攻で奪われるなんてぇぇぇ…(泣)。
しかもアイツ地味にいい匂いさせてたから、絶対に晴奈と逢引していたに違いないっ。だからごまかすためにお金くれてお風呂に入るのね。
よーし。頭脳が冴えてきた。
今日はご飯も不要そうだから、白い粉の出番はナシね。
だったら次の作戦を練るしかないっ!!
――1万円を手に入れた
――勘の良さが上がった
――紀美はレベルが上がった!