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あ の こ の ば し ょ を お し え る か わ り に ぼ く を こ ろ し て ほ し い 」
「あぁ、中也の居場所を教えてくれるのなら叶えてあげるよ」
「 あ り が と う 」
「 あ の こ の い ば し ょ は こ こ だ よ 」
少女はそう云いながら小さな紙を私の手に乗せる。
「それじゃ、今度は私が約束を果たす番だね」
銃を取り出し、少女の左胸を目掛けて撃つ。
「 さ よ な ら 、 が ん ば っ て ね 」
少女の命の灯火が尽きる直前、そう聴こえた気がした。
「 余 計 な 事 を し て く れ ち ゃ っ て 我 が 妹 な が ら 情 け な い …
不 完 全 な 状 態 で 死 ん だ ら も う 二 度 と 蘇 生 が で き な い と 云 う の に … 」
「谷崎君、もう出てきていいよ」
「はい、話はできましたか?」
「うん、もうばっちり」
「よかったです、みんなの所に戻りましょう」
「そうだね、早く戻ろうか」
「太宰さん!あの、今日はもう辞めにしませんか?」
敦君が控えめにそう云う。
「…ん〜そうだね。今日はかなり無駄な時間を過ごしてしまったからね、出直そうか」
「はい!」
敦君も怖かったのだろうか、安堵した表情をする。
「あ、皆さんにも伝えておきます」
「うん、あ、あともう一つ伝えてほしい事が…」
「何でしょうか?」
「『私はまだ用事があるから皆は先に退社しててくれ』と伝えてくれるかい?」
「わかりました!では先に帰りますね。お疲れ様でした」
「あぁ、お疲れ様、伝言、頼んだよ」
皆の後ろ姿を見送り、皆んなが見えなくなった処で中也の帽子を穴から取り出す。
待ってて、中也
今行くからね
次回、最終話