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あめ視点
雨上がりで、まだ部屋の中でも湿気が抜けない頃、コンコンっと部屋をノックされ、ガチャりと扉が開く。
「報告、見たか 」
「うん、見たよ」
「絶対に忘れるなよ」
「分かってる」
不満顔で確認して来たのは兄のアオニス。
兄は厳格で、規則の従わなければ誰であろうと容赦はしない。
…でも僕はあまり規則に忠実な訳では無いから、多分兄とは合わない。と言っても兄とは同じ家だし、学校も同じだから顔を合わせたり、話さないのは無理がある。
兄は四年生だから今年卒業するし、もうちょっとの辛抱なんだけど、仕事をしても家は変わらないし、人生って残酷だと思う。
と、そんなことを考えていたら兄「はぁー、」と深いため息を吐いて部屋を出ていった。
……午後五時、何があるのだろう。
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午後五時
ついに来てしまった。軽い事だったら良いんだけど、人生は甘くないし、恐らくとても重要なことなのだろう。まだ放送は始まっていない、このまま少し時間が空くならば、少し外の空気吸って、落ち着こうかと思い、窓をそっと開けた。
雨が止んでから数時間経ったとはいえ、冬はやはり寒い。氷のように冷たい風が部屋を貫き、このまま開けておいたら凍ってしまうような寒さだ。
「閉めよ…」
リラックスして気分を少しでも上げるつもりが、逆に悪くなってしまった。
ふと時間を見ると、もう五時半になっていた。それでも放送は流れない。一度入り直そうかと結晶を触ろうとした頃、いきなり放送が始まった。
『えー、これから放送を始める。
単刀直入に言うを。この世から十六歳以上の魔導士を排除する。なので、その準備を行いたいと思う。まずは税金。魔導士は税金を倍にする。次に人権を無くす。国民は把握するように、以上。 』
プツッと放送が切れた。魔導士を排除…、?十六歳以上って、僕…?嘘だ。これは嘘。重たい冗談。
…………………それ以外考えられない。
明日から、どうすればいいの?
登場人物
アオニス・ヴィクター
あめの兄
19歳
性別:男
身長178cm
厳格で規則に厳しく、規則を反するものが嫌い。