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第三章 未成年
進級式から翌日。
学校から生徒達の保護者へのメールのよって、一人の女子生徒が職員用トイレで大怪我をして倒れた状態で見つかったと知らされた。
そのトイレは、赤いコーンなどで今は入れなくなっている。
担任は、今回の事件について心当たりがあったり知っていることがあれば申し出ろと話していた。
授業は普通に行われ、休み時間になる。
声が聞こえる距離に人がいないか確認しながら、歌葉がゆらの机に来た。
「プリキュアっていうんだっけ?ゆらちゃんの強い姿。」
「まあ、そうだけど……危険だからあまり詮索しない方が身の為だよ?」
「きっとプリキュアやってるのは、ゆらちゃんだけでしょ。一人で色々と守るのは大変じゃないかな〜?」
「プリキュアになる気?」
「私が妙な生物と関わったりするの、ゆらちゃんは面白そうって思わない?それに、幸福の便りというものは、待っている時には決して来ないものだからね〜」
「正直、興味はあるよ。でも、あたしが巻き込んだってことになるんだ。これ以上あたしに罪悪感を感じさせないでほしい。」
「ゆらちゃんは、罪悪感なんかよりも面白さを優先する子だよ。」
「別に面白第一主義ってわけじゃないさ。あたしが幸せになれるかどうかを重要視するってのが正しい。求めてる幸せの中に、退屈な日常をぶっ壊す面白さが入ってるだけで。」
「ふ〜ん?それじゃ、考えといてね〜。」
放課後、歌葉はゆらの行動を思い返してプリキュアに関係しそうな場所を推測する。
大きなリュックにシャベルを入れ、大岡竹林へ向かった。
少し離れた場所で、歌葉の様子をゆらが静観している。
歌葉に纏わせたシールドは解除した。
(あれ、ここの土だけ土質が違う……盛り上がってもいるし。ここに何か隠したのかな〜。)
そう考えた歌葉は、シャベルでその部分を掘る。
見たことない材質のゲージを発掘した。
「む、開かない……ゆらちゃ〜ん、これ開けてくんない?どこにいるかは知らないけど。……これでいなかったら、恥ずかしいな。」
(まあ、妖精と接触しても別にいいか。その後悲惨な目に遭っても、自己責任ってことで。)
そう判断したゆらは遠くから、ゲージを開けられる状態にする。
「お、開いた。……!?」
「急、眩しい、ショク。」
「キミが助けてくれたポーか?」
(さあ、歌葉はどう行動をとる?)
「待て、コイツ、敵、可能性、ある、ショク。」
「ごめんね、もっと早く助けてあげられなくて。君達にはどんな事情があるのかはわからないけど、この中ですごく困っていたんだよね。私、君の力になりたい!私にできることがあったら遠慮なく言ってほしいな!」
「キュアジェネシスと違って、プリキュアになるべき優しい人間だポー!」
「完全、信用、してる、違う、ショク。アタシ、ショクシュ、この子、ポーロス、ショク。」
「ショクシュにポーロス、よろしくね!それで、キュアジェネシスとかプリキュアって何?」
ポーロスとショクシュは、惑星フェアリや反地派のことなどについて長々と話す。
「……っていうわけだポー。で、ネガイストンをキミに渡すポーね。」
「君達をうちに住まわせていいかな?身寄りないと思うし。」
「まあ、助かる、少し、ショク。」
歌葉はポーロスとショクシュを連れて、竹林を後にした。
(本気かコイツ?危険かもしれない見知らぬ生物を家に招くとか、正気の沙汰ではない。)
喜多川マンションに帰った歌葉は、二匹を押し入れに突っ込んだ。
「君達は私の許可がない限り、ずっとそこにいてね〜。後、無断で喋らないこと。」
早速、ネガイストンの研究を始める。
(他の物を媒体にして変身する感じかな〜?)
近くにあった羅針盤を分解し、中にネガイストンを入れる。
回路がネガイストンにつながるスイッチを作成して取り付けた。
スイッチを押すと、視界が青色に反転する。
「っ!?……これが、変身するための空間……」
二分程度で消えるこの空間に慣れるまでは時間がかかった。
そして何度も試行錯誤を繰り返し、プリキュアの衣装のイメージに成功する。
「さて、変身するための台詞はこうだっけ?プリキュア!デイ·フェアヴァンドルング!」
青色の空間の中で、足に縹色の長い靴下と濃紺のブーツが現れる。
ミッドナイトブルーのスパッツの上に、瑠璃色のレザースカートが装着された。
肩出しの群青のタートルネックに、両肩の下の腕には白群の大きなフリルがつく。
指の出た露草色の手袋が装備される。
解かれた髪は茶色に染まり、瞳はラピスラズリの色になった。
「超過する紺藍の道化師!キュアフロンティア!」
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