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Chapter 4:Burning Rose ― 燃える薔薇
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【グラミー翌日/SNSトレンド第1位】
▶「KIM MINJU × BTS = 伝説再臨」
▶「ジョングクと見つめ合う5秒間が心臓に悪い」
▶「キム・ミンジュの歌、涙止まらない」
▶「……でも、なんで“彼女”が戻ってきたの?」
祝福と称賛の渦の中、
ある小さな投稿が、じわじわと炎上の火種となっていた。
「ミンジュは“故・ハン・ジウン”を利用してのし上がった」
「彼女の死の真相を黙ったまま、英雄ぶってる」
「キム ミンジュがハン ジウンを追い詰めたという噂、知ってる?」
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【HYBE会議室/緊急招集】
「……これは一部の業界関係者のリークです。」
マネージャーの声が震える。
「ミンジュを狙った計画的中傷と見て間違いありません。
特に、“彼女の姉”がSNSで火をつけた可能性が高いです。」
「姉…?」
テヒョンが眉をひそめた。
「ハン・ジウンの姉、ハン・セヨン。
かつての音楽プロデューサーで、
芸能界を干されて以来、沈黙していたが…
妹の死後、“ミンジュがすべてを壊した”と発言していたようです。」
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【夜/ミンジュの自宅】
パソコンの画面には、拡散され続けるデマ記事と、
かつて彼女と交わしたチャットのログ。
ジウン「本当に、もう一度歌いたいの?」
ミンジュ「うん。でも…怖い。私が声を出したら、また誰かが壊れる気がして。」
ジウン「じゃあ、壊さなければいい。ミンジュの声は“癒す”ためにあるんだ。」
画面が滲む。
涙か、それとも怒りか、自分でも分からなかった。
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【その頃/別室】
ジョングクが電話で誰かと話していた。
「……おい。誰がミンジュヌナの名前を使ってこんなことを?」
「いいか、聞け。
俺はただのアイドルじゃない。
HYBEで一番情報が早いのは俺だ。
動くなら今、全部潰す。」
電話を切ったジョングクは、扉の前に立っていたミンジュと目が合う。
「……怒ってるの?」
「怒っているに決まってるじゃないですか!。
ヌナの声を、誰かが汚そうとしてる。
そんなの、僕は許さない。」
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【数日後/テレビ番組の生放送中】
司会者の“無神経な一言”が、スタジオの空気を凍らせた。
「キム・ミンジュさん、あなたがハン・ジウンさんを追い詰めた、という噂について一言どうぞ?」
観客席がざわつく。
スタッフが止めに入るが、ミンジュは静かにマイクを持った。
「…その話題を振られることは覚悟してました。
でも、私は彼女を“追い詰めた”んじゃない。
私が、彼女を救えなかった。
それが、今でも心の傷です。」
会場が静まり返る。
「でも、それでも歌います。
彼女が、“私だけは音を止めるな”と言ってくれたから。
彼女を汚す言葉には、何も返しません。
私の歌が、それに全部、答えますから。」
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【直後/SNS爆発】
▶「…泣いた。強すぎる。」
▶「黙ってても綺麗、でも喋っても真実。」
▶「ミンジュ=信じるしかない。」
▶「ハン・セヨン側、完全沈黙」
▶「“沈黙を歌で壊す女”ってキャッチコピー天才か?」
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【夜/ミンジュのベッドルーム】
静かな夜。
ミンジュは、かつてのハン・ジウンの曲を聴いていた。
そして、初めて、心の底から思った。
「私は“彼女の影”ではない。
私は──キム・ミンジュという、ひとつの光だ。」
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🌙To be continued…