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#シリアス
「……っ」
思考が真っ白な火花を散らして弾け飛ぶ。
“俺だけのもの”
その言葉が持つ独占的な響きが、鼓膜を震わせて脳髄まで痺れさせた。
それって、つまり──。
「…す、好きって、こと……?」
やっとの思いで絞り出した声は、自分でも驚くほど細く、情けないくらいに震えていた。
天馬くんは一瞬だけ、何かに打たれたように目を見開いた。
驚きが通り過ぎた後
彼は少し困ったように、けれど隠しきれない愛おしさを湛えて笑う。
「……今の流れで、そこ説明必要?」
「だ、だって……っ」
心臓の音がうるさすぎて、自分の声が遠く感じる。
耳たぶまで火がつくように熱い。
こんな、胸を掻きむしられるような展開は
漫画やドラマの中だけの出来事だと思っていた。
冴えない僕の日常には、一生縁のないものだと。
それが今、目の前で。
しかも、クラスの人気者で眩しいくらいに真っ直ぐな天馬くんの口から。
「俺さ、ずっと水瀬のこと気になってたんだわ」
天馬くんがふいっと視線を逸らした。
照れ隠しのように首筋を掻く仕草が、彼もまた余裕がないことを物語っている。
「最初はさ、あまりにも危なっかしいから、放っとけねぇって感じだったんだけど」
「……」
「気づいたら、水瀬が笑うだけで俺まで嬉しくなってんの。他の奴と楽しそうに喋ってんの見ると、胸の奥がモヤっとして……」
一言ずつ、噛みしめるような言葉が僕の中に深く落ちてくる。
「……この間の花火大会の時とか、正直、普通にやばかったからな」
「や、やばかった……?」
「浴衣姿、かわいすぎて直視できなかったし、俺の肩借りて寝てたときも、触りたいの我慢してた」
「〜〜っ!?」
不意打ちの言葉に、思わず両手で顔を覆った。
恥ずかしい。
心臓が跳ねすぎて、もうこれ以上は耐えられない。
でも、恥ずかしさの隙間から、じんわりとした熱い幸福感が胸の奥に広がっていく。
天馬くんが、僕をそんな風に、一人の人間として、特別な対象として見ていてくれたなんて。
「……でも、水瀬が嫌ならちゃんと言って」
急に声のトーンが真剣味を帯びる。
「今のキスも、勢いだった。水瀬がパニックになってたから、なんてのは半分言い訳で……触れたいって思っちゃったから」
その言葉を聞いた瞬間、胸がきゅっと締め付けられた。
「嫌」なんて言葉、どこを探しても見つからない。
むしろ、あの暗闇の恐怖の中で
彼の唇が触れた瞬間に感じたのは、絶望を塗りつぶすような圧倒的な安心感だった。
「……嫌じゃ、なかった」
「…っ」
天馬くんの動きが止まる。
僕は膝をぎゅっと抱え込み、視線を落としたまま告白を続けた。
「び、びっくりはしたけど…でも、天馬くんだったから……」
言葉にするたび、自分の顔が温度を増していくのがわかる。
「……僕、天馬くんといると、すごく安心する。楽しくて、たまに眩しすぎて…でも、もっと、天馬くんのこと知りたいって思っちゃう…」
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