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#シリアス
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顔を上げると、天馬くんが静かに
逃げ場を塞ぐような真っ直ぐな視線で僕を見つめていた。
その瞳の熱に射抜かれ、不思議と今度は目を逸らしたくなかった。
「でも…その、付き合うって、よくわからなくて……」
「……」
「…一応聞くんだけど、こ、これって、よくある罰ゲームとか、そういうのじゃないよね……?」
あまりの出来すぎた状況に不安が顔を出す。
天馬くんは小さく笑って、力強く首を横に振った。
「んなわけねぇじゃん」
彼はマットの上に膝立ちになり、僕の方へさらに身を寄せた。
影が重なる。
倉庫の薄暗さが、二人の距離を極限まで縮めていく。
「水瀬が、俺の恋人になってくれるなら……めっちゃ大事にするし」
低く囁くような声。
いつもより少しだけ掠れていて、驚くほど甘い。
「で、でも僕…っ、男同士ってこととか、周りの目とか……その……」
「そーいう難しいことは、追々一緒に考えようぜ。俺だって男好きになるとか初めてだし」
天馬くんの大きな手が、僕の髪を優しく梳いた。
その指先の感触だけで、溶けてしまいそうになる。
「今はまず、水瀬が俺のことどう思ってるか。それだけ教えて」
もう、誤魔化せない。
肺いっぱいに埃っぽい倉庫の空気を吸い込んで、覚悟を決める。
「……天馬くんのこと」
喉が渇いて、声がかすれる。それでも。
「…僕も、好きだと……思う。だって、男同士なのに、天馬くんに……キスされるの、全然嫌じゃなかったから……っ」
言い切った瞬間、心臓が爆発したかと思った。
天馬くんの目が大きく見開かれ
次の瞬間、春の日差しのような満面の笑みが溢れる。
「じゃあ、決まり」
拒む間もなく、逞しい腕が伸びてきた。
気づけば僕は、彼に力強く抱き寄せられていた。
硬くて、温かくて、微かに汗の匂いがする胸の中。
「て、天馬くん…?苦しいよ、力強い……」
「我慢して。……今、最高に嬉しいから」
行き場を失った僕の手は、彼のジャージの裾をぎゅっと掴んでいた。
やがて額を合わせられ、視界いっぱいに天馬くんの顔が広がる。
近すぎて、彼の瞳に映る自分の情けない顔まで見える。
「改めて言うわ。水瀬のこと、めちゃくちゃ好き」
「…っ、嬉しいけど、恥ずかしいって……」
幸せすぎて、怖いくらいだ。
耐えきれずにそっと目を閉じると、待っていたかのように天馬くんの唇が再び僕を塞いだ。
今度は、さっきよりもずっと甘く、深く。
重なり合う唇から、彼の熱が流雪のように流れ込んでくる。
キスの合間に漏れる吐息が、自分のものであるか彼のものであるかも判別がつかない。
閉じ込められた倉庫は、もはや恐怖の場所ではなく、僕たちだけの秘密の聖域になっていた。
◆◇◆◇
どれくらい時間が経っただろう。
ようやく離された時には、頭がふわふわとして酸欠寸前だった。
「……っはぁ、はあ……天馬、くん……っ、やり、すぎ……」
潤んだ瞳で彼を見上げると、満足げに微笑む彼の表情が、あまりにも魅力的で再び鼓動が跳ねる。