テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ysd Side
いつも通り 、保健室の 扉を開けやらなければならない書類を引き出す。
ysd『………、』
“ カサッ カサッ ”
少し物音がしてふと、ベッドに目を向ける。
ベッド越しにあるカーテンは誰かが居るように少し膨らんでいて。
誰がいるか考えなくて、見なくてももわかる自分が嫌になってしまう。
ysd『……はぁ………、』
ベッドの中の人は もぞっと動くと、布団から顔を少し出した。佐野勇斗 。 簡単に言えば不良で授業もまともに受けない奴。
人と関わることがあまり好きでは無いらしく休み時間も 屋上か、ここにいる。
そんな 佐野勇斗に俺は気に入られてしまっているようだ。余計なお世話だよなほんと。
ysd『佐野くーーーん、またサボり???』
sn『…、佐野くん呼びやだ、勇斗な、…』
ysd『……はぁ…、 はいはい勇斗くん。またベットで寝て ………、何してんの??』
sn『………………』
希望通り呼んであげたのに納得いってない感が顔に溢れ出てる。
ysd『はぁ……、勇斗。お前授業出ないの、?』
sn『…… ………、 だって、…、つまんねぇもん。仁人と居たほうが倍楽しいし。』
ysd『仁人呼びすんな。吉田先生な。』
sn 『 やだ 仁人 』
ysd『 はぁ…………、あのなぁ、佐野。授業出ねぇと成績下がるんだよ??いいの??』
sn『別にいい ……… 。』
佐野は授業をまともに受けずサボりまくっている。そんな奴になんで俺は構ってしまうのか。
sn『……………』
ysd『なに、…… 』
sn『仁人 、 髪切った?』
ysd『 ………… 切ったよ……、』
sn『…… なんで …、???』
ysd『なんでって……、イメチェンした。』
sn『…… 、ふーん、』
ysd『…… なんだよ 。』
sn『……、』
佐野は何か言いたげな顔をして見つめてくる。
ysd『だから 、なに、』
sn『………、その姿誰かに見せた?』
ysd『 はい………?』
sn『仁人のイメチェンした姿、誰かに見せた?』
ysd『…はぁ??…見せてねぇよ。』
そう言うと 佐野は 険しい顔からホッとしたような柔らかい笑顔になった。何なんだこいつ。
sn『 そっか、ならいいわ 笑笑 』
ysd『……なんだよ………。』
sn『 いや別に ……、?? ただ…、』
佐野はそう言うと俺の髪を触った。そしてそのまま頬に手を滑らせ、
ysd 『 っ、ん…、/ ちょ……、』
sn 『 その姿を俺以外に見られんのは嫌だからさ。』
佐野はそのまま俺の目線を合わせた。
sn 『 ……… 』
ysd 『 っ……、// な…、んだよ……、』
sn『…、んは、笑笑 仁人そんな顔すんのな 。 かわいい 笑』
ysd『 おまっ……、な、にまじで…、/ 』
sn『 だってほんとのことじゃん。』
ysd『っ……、!! // 』
佐野は俺をからかって楽しんでる。俺はそれが嫌で、恥ずかしくて、顔が熱い。
ysd『 先生からかうのも程々にしろよ……』
sn『からかってねぇよ。ほんとのこと言っただけ。』
sn 『 何。うれしかった?? 笑』
ysd『 ッ… !!! / うるせっ……、お前はさっさと教室戻れ!!』
sn『えーーー…、もっと仁人といたいんだけど。でも、仁人がそう言うならしょうがねぇか…、』
佐野はそう言うと 俺の髪から手を離し、ベッドから立ち上がった。そして俺に背を向けて扉に向かって歩き出した。
ysd 『 っ…………、』
なんなんだ……、俺もこいつのせいでおかしくなってる。このまま行ってほしくない…、きがする…………、
ysd 『……っ、はやと……、』
sn『 ………!!! え……、仁人…今…、』
ysd『 っ……、笑 何勇斗。 』
そう言った瞬間 佐野は驚いた顔で振り返った。
sn『……っ、////』
なんで俺が「勇斗」なんて呼んだかなんて分からない。
ysd『……っ、////』
俺は恥ずかしくなって顔を逸らしたが、佐野がこっちをガン見してるのが分かって余計恥ずかしくなる。
sn『はぁ… …、仁人ずるい…』
sn 『 その顔、俺以外に見せんなよ。』
佐野はそう言うと俺の頭を撫でた。
ysd『 誰が見せるかよ ばーか 。』
sn『……… やっぱ 、授業行かねぇわ、』
ysd『それは行けよ馬鹿勇斗。』
こいつが居ると馬鹿みたいに調子狂う。でも居ないと 、それはそれで調子狂うんだろうな。
絶対本人には言わないけど勇斗に出会えて良かった。
end
コメント
1件
ツンデレ吉田さんありがとう...