テラーノベル
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ボラス「…っ!?」
ジュリアン「そろそろ終わりかな、ジェントルマン」
ボラス「……」
まだ足掻くというのか!?力はないはず。
ジュリアン「おや」
座り込んでしまったのか。
ピクリともしない様子。さて、連れていくとしよう。
ボラス「なんてな」
バゴーン!!
ジュリアン「…っ!?」
僕は勢い良く壁に打ち付けられる。
ジュリアン「…っぐ。ははっ、力が残っていたとは、中々やるじゃないか!」
ボラス「俺は、まだ戦えるさ」
エラン「片手を飛ばしてしまって、一応回収しておいたのですが…」
マリアル「そんなの、片手ぐらい飛んでていい」
アドラスタ「…あら!?ヒメ様!?」
マリアル「ん?ちょ、ちょっと!?どこ行ってるの!?何して…」
エラン「マリアルさん?誰と話して…」
マリアル「な、何でもないわ…!」
ちょ、ちょっと!!どこ行ってるのよ!
アドラスタは契約者にしか見えない、要するに今、私しか見えていない状態。
アドラスタ「ヒメ様!!ヒメ様!?気絶していらっしゃるのね!大変!」
何?知り合い?
アドラスタ「あっ、片手!ヒメ様!片手がここに!治してあげたいところなのだけれど…」
マリアル「待ちなさい!命令よ!契約者の支配下に置かれていること。忘れていないでしょうね」
アドラスタ「…っ!」
マリアル「衛兵供、この2人を連れて行きなさい。エランはここへ残ること」
エラン「分かりました」
アドラスタ「はぁ…」
マリアル「友だかなんだか知らないけど、反感を買うような行為はやめてくれる?契約内容通りにいかないわ」
バッ!
ジュリアン「クイーン!連れてきた。手こずったが、何とか」
アドラスタ「マル様!」
マリアル「地下へ連れて行って頂戴」
ジュリアン「任せてくれ」
マリアル「遊び道具が生まれたわね。ふふっ、楽しみだわ」
エラン「……っ」
アドラスタ「まさか、こんな形で再会なんてね」
マリアル「次は…」
エラン「……」
マリアル「あら、貴方もやってみない?ほら」
俺は女王陛下に突き出される。
エラン「…っ。う゛っ」
マリアル「やって見せて?」
こ、こんなの…。見渡すと3人共顔に酷いあざで血まみれ、目は…見えているのだろうか、意識はあるのだろうか。シャスカ君…。
次第に少しずつ息が荒くなると同時に、涙が溢れそう。こんなのあんまりだよッッッ!!!
バシッ!!!!
俺は思いっきり足でシャスカ君の顔面を強く蹴った。声は聞こえない。
やらなくても良かったんじゃないかという後悔と、逆らえば自分もこうなるんじゃないかという恐怖が入り混じる。
マリアル「随分とまぁ強く。面白いわねぇ」
エラン「あぁ…ご、ごめ、」
駄目だ。涙が止まらない。強制されて抗えずにやってしまったことなのにっ、自分が悪いのに!
何で泣いてんだよ。泣きたいのはこの3人じゃないか!泣くなっっ!泣くなぁっ!!
涙を流し、俯きながらバシバシと自分の頬にビンタをする。
マリアル「はぁ、この空間、楽しかったけど血生臭くなって居られなくなったわ。掃除して頂戴ね。2人共。他にもここへおもちゃになりに来る子もいるでしょうし」
エラン「…はい」
3人の体を拭きとれるところは最低限出来た、起きると願いながら。
起きたのなら精一杯の謝罪をしよう。許してくれるはず、なんて思っちゃ駄目なんだろうな。
生きづらいよ。
そのまま目が覚めずに翌日になると、3人は息すらしていなかった。3人の死体を見下ろす、この静かな地下で。
死んだんだ。きっと。
あそこで自分が止めていれば、いやもうあの時点で手遅れだったかも、でも止めてれば何か変わったかも。なんて後悔が頭の中を駆け巡って。
昔から何においても考え過ぎて引きずってそして、周りが見えなくなる。
俺は右拳を太ももに何度も強く打ち付けてこの感情を押し殺そうとする。
結局は殺せずにグシャグシャになるのがオチだったりするけど。今もだ。
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