テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
❤️「青年、悩んでるな」
宮舘さんがぽん、と俺の肩を叩いた。
目下夏休み中。
店は、たまにアイスや飲み物を買いに来る客以外は閑散としている。外は異常な暑さなので外出する人も少ないのだろう。
阿部先輩がいない分、俺は毎日のように出勤していた。今日も朝から夜までの超ロングシフトだ。もともとバイトの人数も少ないから、ほとんど宮舘さんと2人で店番をしているような状況だった。
🤍「宮舘さん、今頃、阿部先輩何してると思います?」
❤️「彼女とデートでもしてるんじゃない?」
🤍「えっっっ!!!!」
俺の慌てぶりに、宮舘さんは大笑いした。本当に食えないクソ親父だ。
❤️「いないよ。阿部くんは独り者」
🤍「はぁ~、よかったぁぁぁ」
心の底から安心した。
自分の胸にある、この気持ちの正体はきっと友情なんかじゃないから。一目見た時から密かにいいなと思っていたのだ。あれだけ俺と一緒にいたのに隠れて恋人がいたりしたらやるせなさすぎる。
❤️「でもちょっと、恋愛に対して臆病になってるからね、彼」
🤍「臆病?」
❤️「そう。とてもとても辛い恋をしたから」
🤍「えっ。何か知ってるんですか?」
そういうと、宮館さんは右手を差し出した。
🤍「え?なに?」
❤️「情報料はアイスコーヒーでいいよ」
🤍「……ちぇっ。バイトにたかるなよ」
❤️「一番大きいやつね」
🤍「はいはい」
俺はアイスコーヒーを淹れると、宮舘さんに向き合った。
❤️「俺から聞いたなんて言うなよ?」
コメント
2件
バイトにたかる店長やばいwwwwwwwwwいい味だしてるなぁ