テラーノベル
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─堕とさないと出られない館に閉じ込められました─
注意喚起
・御本人様とは一切関係ありません
・BL(R18にはならないはず)
・zmさん総受け
・現mzybのメンバーのみ登場します
閲覧はあくまで自己責任でお願いします。
◇
気づけば、知らない場所に立っていた。
四方八方、どこまで行っても真っ白。地面があるのかすらわからない。
けど、不思議と怖くはなかった。重力も音も、なにもかもがふわふわしてて、まるで────
「・・・・・・夢か、これ」
ぽつりと呟いたその瞬間。
「ビンゴ~。おめでとうゾムさん」
白い空間の向こうから、スーッと誰かが滑るように登場してきた。
半透明のゆるいシャツ、脚は浮いてて、髪の毛すら重力に逆らってふわふわしている。
思いっきりインキュバスの格好をした大先生だ。
「・・・・・いや、どない格好しとんねん!!」
「や、夢やし、ちょっと攻めた装いしてみた。どう?ちょっとえっちやろ?」
いつものノリで叫んだあとで、ハッとする。
・・・あれ?これ、夢やんな。
重い頭。妙に軽い体。思考だけがくるくる巡るこの空間。
目は開いてるのに、瞳に映るもんはどこか現実味がない。音もない。匂いもない。ただただ、白。
「・・・俺、体は寝てんのか?」
「せやで~。ちょっと俺が”夢の中で会う方法”試してみてん」
「・・・・・。わざわざ、ありがとな」
通常なら、淫魔は眠っている人間から精気を吸いにくる。
でも、この場では互いに意思を疎通することができる。
──────きっと、大先生が工夫してくれたんだろう。
「・・・・・・、ゾムが”助けて”って言ってたからやろ?」
「言ってへん!!」
一つか二つ、瞬きをして。
大先生は照れたように笑ってから、いつものように軽口を叩いた。
ツッコミを入れながらも、なぜか胸の奥が、きゅっとなる。
─────心当たりが、あるから。
「・・・まぁ、ちょっと怖かったんはほんまやけど」
ぽつりとそう言うと、大先生がにやりと笑う。
「それやそれ。それが本音、ってやつや」
どこか掴みどころのない雰囲気を纏って、夜の悪魔はそう言った。
しばらく、二人で歩いたり座ったり、座ってるようで浮いてたり。
大先生はまるで、動きにあわせて最適な距離で寄ってきたり離れたりする。
無理に触れてこないけど、空気が甘い。なんていうか・・・ぬるま湯の色気。
「にしても、大先生って案外距離感うまいよな」
「うまいって言うか、ゾムの心の中やしな。空気くらい読めるで?」
「・・・ん?つまりお前の、格好が俺の願望ってことに・・・・・・?」
「そうやで♡」
「な、なんやて・・・・・・!?」
「ま、冗談やけどな」
まあ、そんなことだろうと思ったけど。
ちょっと笑って、大先生は俺の隣に腰を下ろした。
なにもないはずの白い空間に、ふたりの体だけが浮かぶ。遠くもなく、近すぎず。
ふと、大先生が静かに言った。
「でもほんまに。ゾム、寂しそうやったし?」
「・・・・・・」
「・・・夢ってのは、本人の意思に関係なく、奥底にあるものが反映されるねん。
きっと、ゾムさん、何か変なもの背負ってる。」
「・・・・・?」
「はは、分からんか。まあ今はこうして逃げてるからいいけど。いつかは絶対、夢の原因を見つけなきゃ。」
独り言のように、真っ白の空間で大先生はそう言った。
ふと、視界の端が黒く滲み始めた。
「あ、れ・・・?大先生、これ、」
「もう時間や。やっぱり限度はあるんやな」
体がゆっくりと暗闇に沈んでいく。でも、恐怖は感じなかった。
いつの間にか握られていた大先生の手だけが暖かくて。そのままゆっくりと瞼を下ろした。
◇
ぱちり。目が開く。
暗い部屋、少し蒸し暑い夜。
隣で寝てるのはシャオロン、もう一人は──────
「おはよ、ゾムさん」
「・・・あれ。戻ってきてもうた」
手を繋いだ状態で、大先生がこちらをみていた。
そのままゆっくりと体を起こした大先生は、笑って伸びをする。
「んー・・・。いい夢やったな。」
「い、いい夢なん?さっきの・・・」
苦笑しながらそう答えると、大先生はもう一度布団に潜り込んでしまう。
暗がりの中で時計を見ると、まだ三時。また中途半端な時間に起きてしまったようだ。
「ま、俺はもっかい寝るわぁ。ゾムは?」
「え?お、おれは・・・寝たいけど、」
・・・また、夢を見るかも。
そんな心情を察したように大先生は小さく笑って、それから俺の腕を引っ張った。
「わっ」
「一緒に寝れば、怖くないやろ?」
同じ布団に引っ張られる。
・・・ちょっと、顔が近い、かも。
電気が付いてないのが幸いだ。
少しみじろいだ俺をみて、大先生がこちらに手を伸ばす。
ちゅ。
重めの前髪を掻き分けて、額に小さく、口付けを落とされた。
「・・・・・ん、ぇ・・・?」
「んふ、よく寝れる、おまじない。」
目の前の整った顔が儚げに笑って、瞼を閉じた。
すうすう、と寝息が聞こえる。
「・・・・・うぅ〜〜〜・・・」
くそ。あほなんかなこいつ。
唇に触れたおでこが妙に熱くて。
ぎゅっとそこを抑えるようにして、布団に潜り込んだ。
◇
まじれんぼ、zm推しのわいは発狂でしたね。
持ち前の推理力と洞察力見てると、昔の人狼を思い出す・・・。いっつも新しいムーブ持ってきてくれてまじで好きだった。
コメント
11件
積極的なut先生、、、愛してる。 わかるぅぅ、!! まじれんぼのzmさんワイらが求めてる強さ持ってたんじゃあ!!
素敵な作品ありがとうございます。 我々だ様が解散してしまった後に見つけたので、とても解散したと聞いてもうちょっと早く見つけてれば、と悲みと、反省をして悔しかったです。そして、新しい作品を作っている人も少ないので、まだ我々だ様の作品を作ってくださる人がいる、と、とてもうれしいです。しかも、
誰か見てない?! 大丈夫か、?! 続き楽しみ?!✨️(´。✪ω✪。 ` )