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校外学習当日。
旅館の廊下を、生徒たちが走り回っていた。
「走らない!」
「部屋戻ってくださーい!」
教師たちも大忙し。
もちろん、ライとマナも別部屋。
学校行事で同室になれるわけがない。
「……つかれた」
夜。
自室でマナが布団へ倒れ込む。
その瞬間。
コンコン。
ノック音。
「……?」
開けると。
「ライ?」
そこにいたのは、ジャージ姿のライだった。
「何してんの!?」
「静かに」
そのまま部屋へ入ってくる。
マナが慌てて扉を閉めた。
「バレるって!」
「見てない」
「いやでも!」
ライはため息をつく。
そのまま布団へ座った。
「……会いに来た」
低い声。
マナの顔が熱くなる。
「なにそれ」
「今日全然話せなかった」
「仕事中だし」
「分かってる」
ライがマナを見る。
少し疲れた目。
「でも足りない」
その言葉だけで、マナの心臓が跳ねる。
「ライ今日甘えた」
「……うるさい」
そう言いながら、自然にマナの手を握る。
学校では絶対しない距離。
静かな旅館の部屋。
「……眠れない」
ライがぽつりと言う。
「嘘、会いたかっただけじゃん」
「それもある」
即答。
マナは吹き出した。
その時。
廊下から足音。
二人が同時に止まる。
「っ」
ライが即座に手を離す。
息を潜める。
足音が通り過ぎていく。
静寂。
数秒後。
「……心臓止まるかと思った」
マナが呟く。
するとライが小さく笑った。
「でもちょっと楽しい」
「え」
「隠れて会うの」
その顔が少し悪くて、マナはまた心臓がうるさくなる。
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