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橘さんはバックヤードまで、夜桜を連れて行くとお小言ではなく、不思議そうにする。
「あんた、誰かとあんなに楽しそうにするんだね。学校に嫌気がさすって言ってたからちょっと安心したよ」
橘さんの言葉にビックリして、硬直する。
てっきり徹底的に叱られると思ってビクビクしてた。
拍子抜けしてポロポロと月陽に対する感想が溢れた。
「あの子、あんな綺麗だなんて知らなかった。あんなに素直で、嘘で塗り固められたクラスメイトとは全然違う」
そこまで言って、顔を赤らめて橘さんに恐る恐る尋ねる。
「と、友達になりたいなって思ったんだ。今。ど、どうすればいいかな?」
「本当のあんたらしくしたら?ズケズケと相手の領域に踏み込んでそれこそ素直になればいいんじゃない?」
橘さんは腰に手を当て、困った子を見るように笑う。
ぐしゃぐしゃと夜桜の頭を撫でて、トンっと背中を押す。
「30分!それ以上は1秒たりと、許容しない。あんたは今、小さく、大切な分岐点にいるかもよ」
そして私は橘さんの、言葉に頷いて月陽を追いかけた。
緊張で、どうかしそう。
でも、今行かなきゃ、きっと後悔する!
「あ!お代あんた持ちだからね!」
えっ、ておもう反面、話初めのきっかけだと気づく。
まったく、月陽と話す切り口が960円は安いくらいだ。