「学ラン君。座りなさいな」
さっちゃんが俺を一番端の席に誘導して座らせた。
「気にしないっていうのは無理よね。でも、やれるだけのことはやっているわ。あなたは、とてもまっすぐで良い人よ」
さっちゃんの手のひらが俺の頬に 添(そ)えられた。
人の体温がこれほど安心できるものであると言うのをはじめて知る。
思わず少しだけ目を細めてしまってから、慌てて背を正した。これではまるで小さな子供だ。
「本当に、良い人。まっすぐで、素直で、一生懸命で、眼を離せない」
「さっちゃん?」
さっちゃんはなおも俺の頬に手を伸ばしてきた。俺はその意味に気がついて、慌ててそれを自分の手で掴んで彼と視線を合わせた。
「これは、どういう……?」
これは自分に向けられるはずのない視線だ。男であるさっちゃんが俺に向けるのはおかしな視線。
「……私のこと、気持ち悪いって思う?************
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