いつの間にか眠ってたみたいでもう放課後になっていた
健屋さんはもう居なくて,「体調管理に気をつけて」とだけ書かれた置き手紙が机に置かれていた
慌てて保健室から出て教室に行った
鍵開いてて良かった。取りに行くのはめんどくさいしラッキー
荷物を持って走って下足まで行く
ああやばい,ボスとの約束の時間に遅れてしまう
上靴からローファーに変えて外に出てもスピードを緩めずに走る
『っわ!?』
そのせいで誰かとぶつかってしまった
思わず尻餅をついてしまった
??「わっ!?ごめんなぁ。前見とらんかったわ。大丈夫か?立てる?」
ぶつかってしまった人が手を差し伸べた
『すみませ…ん…』
わたくしは顔をあげて手を差し伸ばしている人を見て固まった
真っ赤なメッシュに青と緑が混ざった様な綺麗な髪
心配の色が浮かんでいる蛇の様な瞳孔の真紅の瞳
かっこよくも色気のある顔立ち
ドクンドクンと心臓が高鳴りうるさくてたまらない
顔が熱くなっていく気がする
わたくしはどうやら,一目惚れというものをしてしまったらしい
『あ,は,はい…大丈夫です…
えーと…あなたもどこか怪我はありませんか?』
なんとか彼の手を取って立ち上がって目を伏せながらも聞いた
??「僕?僕は平気やで
ぶつかっておいて名乗るのはアレやな…僕魁星っていいます
綺麗なおじょーさん,おいちゃんに名前教えてや 」
わたくしが,綺麗なお嬢さん…!!????
ローレンに聞かれたら笑われそうなことを…
確かおいちゃん,というのは九州あたりの方言でおじさんだったはず
でも関西の方言も混ざってる様ですね…どちらの生活も長いのでしょうか
『魁星さん,ですね…わたくしレオン・ヴィンセントと申します』
魁星「レオンちゃんやな
あ,連絡先交換しようや」
にこやかに,しかしどこか怪しそうな笑顔を浮かべながら魁星さんはスマホを取り出した
わたくしも慌ててスマホを取り出して連絡先を交換した
『あっ,わたくしもう行かない と
魁星さん,また会えますか…?』
らしくない,と思いながらも魁星さんの服の裾を控えめに掴んでポツリとこぼした
魁星「もちろん。レオンちゃんが望むなら」
優しくわたくしの頭を撫でて微笑んだ
きゅん,と胸が高鳴って顔が熱くなる
魁星「顔真っ赤やん(笑)
初心やなぁ。かーわいっ 」
頭から肩に手を移動してしゃがみ,耳元でそう呟いた
『なっ…なっ…?!////』
ハクハクと口を上下に動かすことしか出来なかった
そんなわたくしを見て魁星さんは満足そうに笑ってどこかに行ってしまった
ボスとの約束の時間には間に合わなかった
ごめんなさいボス!!!!!!
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