テラーノベル
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ホロライブ二次創作
miCometのつもり
きゅうくらりん世界観
死に関する表現あり
朝8時 アラームの音で目が覚める
鏡に映る自分の姿を確認して思いっきり深呼吸をした 朝の匂いがする
冷凍庫の中の君の不健康なくらい白い肌が今日は一段と白かった
外に出て植木鉢に水をやる しおれていた植物たちが輝きを取り戻していく
ふと 植木鉢の下を見る 枯れてしまった花から落ちた蕾 蕾にまでなって咲けなかったそれは過去の自分と重なった
あのころは本当に辛かった 取り繕って努力して 本来の自分が土に埋まって取り出せなくなって、いつか化石になってしまうんじゃないかと思うくらい
でも頑張った 私にはあの子みたいな才能も愛嬌もない 頑張らなくちゃ 頑張らなくちゃ
これも全部 君のそばにいるため そう思えば頑張れた
どれだけ褒められても応援されても満たされない心 それを見透かすような君の瞳が辛かった もし本当に見透かされていたら 自分のドロドロとした独占欲がバレていたら
考えたくもない
私は貴女の隣にいたい
めまいがするほど、大好きなんです
君に出会うまでは色のなかった私の世界
家に帰って、布団に入って 寝て 目が覚めて 起き上がる理由が見つからなくて 起きたい理由が、見つからくて
寝る前から起きたあとのことがどうしようもなく心配で眠れなかった
毎日が彩られて言ったのも 学校に行きたいと思えるようになったのも 君のおかげ
朝8時 アラームの音で目が覚める 呼吸をしている時間さえ惜しくて 早く君に会いたくて
夢のために1歩1歩前身している君と、夢から1歩1歩後ずさりしている自分 その差は残酷な程に明確で
「また明日!」
その一言に明日も一緒にいていいんだという安堵の気持ちで包まれた
こういう時に普通の人は喜ぶのかな
西日を背にした君の顔はあまりよく見えなかった
でもきっといい笑顔をしてたよね こんな私にも君は笑顔を向けてくれるよね
頭の中の君をどんどん美化して 美化して 美化して もう原型がない 元の君はもう既にヒビが入っている そのヒビが怖くてしょうがなかった 君は私が本当の思いを言っても 好きでいてくれるよね? 一緒に帰ってくれるよね? そうでなきゃ許さない
いつもの帰り道 また君は見透かすような瞳で私を見ていた
「最近なんか無理してない?」
優しい笑顔と欲しい言葉
1番大好きな人に言われて、辛くて、決壊した自分の心
「私ね もう抑えられない」
腕を掴んで ロープで縛って ナイフを取り出した ここが私の家でよかった 道具は全部揃ってる 私が君を私のものにするための道具 武器って結構高いんだよ?頑張って揃えたんだよ?
逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない逃がさない
どうして逃げるの? 君は私のことが好きなんじゃないの?そんなはずないってわかっていてもそう思わずにはいられなかった だって大好きだから
君は私のことを嫌うかな そんなはずないよね 君が私の心を知るのは嫌だったのに まだまだ取り繕っていたかったのに ちゃんと笑えないと、大切が壊れちゃうから でも、それを促したのは他でもない君でしょう?
幸せな君との時間を守りたかった 底なしに孤独な私の心 君しか満たせなかったのに 君は私を拒絶した 許さない 許さない 許さない
もう声も出なかった
朝が来て夜が来て、また朝が来て それを何度か繰り返した水曜日の朝
一人で帰る下校中 大きな空に虹がかかっていた 綺麗とは思えなかった 君と一緒にいた時は綺麗だねって笑えたのに
君に拒絶されてもなお恋焦がれて、逃げたくてもこの思いからは逃げられなくて どうせ皆に話しても惚気話とか恋煩いとか言われるんでしょう? もうどうしょうもないよ 本当にめまいがする
「こんなことしたかった訳じゃないんだけどなぁ」
目の前の血まみれの恋人を見て悲しさと嬉しさでぐちゃぐちゃだった
過去の私の努力は結局無駄だったみたい 汚くて、哀れで 惨めだった
「 」
「うん そうだね」
「 」
「大好きだよ」
「 」
「本当に?」
「 」
「ありがと」
「 」
君と会話して、一緒に帰って、過去の日々はいつしか呪いとなった
「もう諦めたから」
その一言が言えなくて
その一言があれば私は日常を送れたかもしれないのに 頭の中はノイズでいっぱい 血塗れの君と今日も会話する こんなことしても満たされないことはわかってる
君にも全部バレてるのかな いっつもお話してるもんね 君はいつでもお見通しだもんね 大好きだよ いつまでも
いつの日かクラスメイトに私の恋を「叶わない」なんて言った奴がいた 私は叶えたよ 私の恋 他人とは少し違う形だけど 叶ったよ 叶った そう 叶ったんだ
もう、限界だった
あの頃の私はこの上なく幸せで、日常を失うのが怖くって この思いも、君のための努力も全部無駄だったとしたら 死んだ後にでもいくらでも罰は受けるから だから神様、私から日常を奪わないでください
そう思っていたのに 神様は私を見捨てたんだ
残酷な程に優しい君の 胸でもし泣けたなら 私は満たされたのかな
死ぬ前に見た最後の夢は 結局君との思い出だった
「今そっちに行くからね」
朝8時 鏡の前で 恋人に会いに行った
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