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「…はいうたいさん、ホットミルク」
そう言い俺はうたいさんの前にホットミルクの入ったマグカップを置く。
うたいさんはあの後一言も喋らずにここに来た。
今も椅子に座ってマグカップの中を少し虚ろな目で見つめている。
うーん…勢いで連れてきちゃったけど、まずかったかな…?
第一、うたいさんには凸さんという恋人がいる。なのに二人きりは凸さんに勘違いされかねない。
凸さん嫉妬しやすいからなあ…まあお似合いだけどね。
って、それより、なんでうたいさんが命を絶とうとしたのかだ。
多分、凸さん関係だ。じゃなきゃあそこまで思い詰めない。
凸さんに連絡してみるか…
俺は廊下に出て、スマホで凸さんに電話をかける。
………………出ない。
充電でも切れたのかもしれない。
んー…二人のことをよく知ってる人とかに連絡してみるか?
………凸さんとうたいさんの家を知ってて、二人が付き合うのに率先して協力してた人…
「凸おじの馬鹿!!!!!!!!!!!!!!!」
「はい…その通りです…」
俺はべるちゃんの前で正座し、説教を受けていた。
俺がうたちゃんと別れるまでの経緯を話し、案の定べるちゃんにブチ切れられた。
「うたいさんと付き合いたいからって、色々私達が協力してあげたのに!凸さんの馬鹿!あほ!知らないおじさん!」
いつもなら「酷くない?」とか言い返してるところだけど、こればかりは俺が悪い…
うたちゃんと付き合いたくて、べるちゃんだけでなく、おどみんメンバーに手伝ってもらったというのに…ほんと馬鹿だな俺…
「………ごめん…」
「………それよりどうするの?うたいさんの気持ち無視してさもさんと付き合うわけにもいかないし、行く宛はあるの?」
「…ない、です…」
何もかも後悔して、半ば勢いで出て行ってしまった。
「…じゃあほんとにどうするの」
べるちゃんがそう言ったところで、べるちゃんのポケットから電話の音がした。
「…ごめん一旦電話でる。」
廊下に出ていったべるちゃんを見て、俺は溜め息をつく。
ほんとに、これからどうするかなあ…
俯いていると、べるちゃんが勢いよく扉を開けて戻ってきた。
「………凸さん、スマホってある?」
「え、あるけど…あ、充電切れてる。」
「やっぱり…」
「えっと…どうしたの?」
俺がそう聞くとべるちゃんが短く溜め息をつく。
「………うたいさん、今ニグさんのとこ居るって。」