テラーノベル
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合宿初日! 早速訓練!
という訳には行かないらしく。
「まずは、環境に慣れましょうか。子供達と一緒に、周辺で遊んでみてください。しかしコレも、“覚える事の一つ”である事をお忘れなく。危なくない様に、私が監督しますから。皆様は思う存分遊んでみて下さい。都会に比べれば、面白くはないかもしれませんが」
そんなお言葉と共に、大荷物を下ろした私達は……何故か水着に着替える事となり、ソレを着た状態で私服を上から羽織る。
わ、わぁ……なんか、絵に描いた様な夏休みだぁ。
子供達は皆小学生くらいだけど、凄く、元気。
全員を引っ張っていく勢いで、こっちこっちと案内してくれた。
そしてやって来たのが、近所の……川! めっちゃ川!
流れは緩やかみたいだけど、結構深そうですが。
「こ、ここで泳ぐんですか……? 危なくないんでしょうか?」
恐る恐る川の中を覗き込んでいると、思いっきり子供達から笑われてしまったが。
「これくらい平気平気! 最近は何かとうるさくなって来たーってかぁちゃん達は言ってるけど、天馬爺ちゃんが居れば溺れても平気だって! どこのウチでも、爺ちゃんが居る時だったら川入っても良いって言われるんだよ!」
いや、それは凄い信頼だけど、普通に怖いよ。
溺れても平気! じゃないのよ。
あと10が、周囲でも超人認識っていうのはよく分かった。
「はっはっは、まぁこんな年寄りですが、泳ぎは得意ですからな。皆様も無理しない程度に遊んでみてください。とはいえ、慣れるまでは慎重に、ですよ?」
一緒に来たtimelimit:10が……いや、今は佐々木さんか天馬さんって呼んだ方が良いのか。
浴衣っぽい和装をしていたお爺ちゃんが、脱いだ。
下にはそれこそダイバーとかが着るようなラッシュガード? みたいな水着を着ていた訳だが……いや、筋肉スゴッ!?
4cardみたいな、とは言わないけど。
ちょっと違う感じにムキムキでございました。
「クククッ、素晴らしい肉体をお持ちの御老人には及ばないが……お見せしよう、子供達。コレが都会の男の姿だぁぁぁ!」
その後いち早く脱いだ出っ歯さんは、何と言うか……ちょっと、お腹が出ていました。
コレを見てげらげらと笑い始める子供達に対して、お腹のお肉をあえて見せつける様にしてポージングしているので、多分笑いを取りに行っているんだろうけど。
ゲーム内の出っ歯さんのイメージが強かったから、あのお腹はちょっと予想外でした。
「兄ちゃん肌白いよ! もっと外に出た方が良いって! 見てよ、僕等真っ黒!」
「ふはははっ! 流石は田舎っ子、逞しいではないか! では、皆で準備体操だ! 行くぞ! 我に続けぇい!」
「「「おー!」」」
早くも子供の人気を集め始めた出っ歯さん、凄い。
今では皆揃って準備体操してるし。
呆気に取られたまま、ポカンとしていると。
「ま~、これも合宿の内だって言うなら……俺等も楽しみますかね」
「だね、そうしよっか」
残る男子二人が普通に脱ぎ始めたかと思えば。
「おっ!? クロさん意外と筋肉付いてるじゃん! 触って良い?」
「ナ ナ さ ん、止めて下さい。俺等は皆陰キャなので、そういうボディータッチには慣れてないんです」
黒沢君、何気に凄かった。
凄くムキムキ! って訳じゃないんだけど。
男の人なんだなって分かる様な身体を見せられて、思わず顔を赤くしながら視線を逸らしてしまっていると。
「ほんじゃ~シロちゃん、私達も脱ぎますかぁ。あんまり恥ずかしがってると、水着になるタイミング失っちゃうぞ~?」
とか言っている内に、普通に脱ぎ始めたナナさん。
凄く大胆というか、ガバッて脱ぐ感じで。
そして、服の中から出て来たのは。
「すげぇぇ! あっちのお姉ちゃん、おっぱいでけぇ! 腰ほっせぇ! げーのーじん!?」
「ふふん、どうよお子ちゃま達。これが都会の女のボディだぞぉ? なかなか大したもんだろ~?」
子供達、大はしゃぎ。
男子達、ブッと吹き出してから視線を逸らし、黒沢君以外は早くも川に飛び込んだ。
まぁ、うん、知ってましたけど。
ナナさん、モデルかって言うくらいスタイル良いからね……。
脱ぐと、更に凄いんですね。
そんな訳で、子供達とワーワーし始めたナナさんだったが。
こ、この後水着になるんですか、私。
ちょっと、落胆される想像が脳裏を過るんですけど。
という事でコソコソしながら服を脱ぎ始めていると。
「あ! あっちの姉ちゃんも脱いでる!」
子供の一人に気が付かれてしまい、皆揃ってこっちに走って来たではないか。
止めて下さいお願いします。
ナナさんと比べたらとんでもない劣化版なので、出来れば見ないで下さい。
とか何とか、恥ずかしさでプルプルしながらも水着を観察されていると。
「やっぱ向こうの人って、オシャレだねぇ~……こっちと全然ちげぇじゃん!」
「だよな! 都会では流行ってるとか言ってたの、アレ絶対嘘じゃん! 皆にも教えてやろうぜ!」
「……へ?」
皆から、不思議な声を頂いてしまった。
ポカンとしている内にも、皆そろって楽しそうに笑っており。
「ウチの姉ちゃんとかが“コレが今の主流”とか言って、すげぇ変な水着の着てたけど。全然違うじゃん! やっぱ田舎とは違うんだー」
どうやら、体型ではなく水着の方に注目してくれたらしく。
良かった、ナナさんに選んでもらったの着て来て。
ちょっと派手じゃないかなって思ったりもしたけど、皆の様子を見ると……多分、問題無さそう。
というか比べられるの、ナナさんだけなので。
彼女と比較したら、私は何を着ようと地味になるのは間違いない。
「へ、変じゃない?」
「どこが? こっちじゃマジで変な水着着てるヤツばっかだよ! めっちゃ濃い色のヒラヒラ付いたヤツとかで、皆からラフレシアって呼ばれてるヤツとか!」
ラフレシアって……それ寄生花じゃ。
それはそれで気になるけど、とりあえず問題は無かったらしく。
その後子供達は、既に川に入っている出っ歯さん達に呼ばれ、皆水の中へと突っ込んで行く。
と、とにかく。
第一関門は突破したと思って良さそうだ……などと、深いため息を零していると。
「えと、その……白川さん」
「うひゃぃ!」
急に後ろから黒沢君の声が聞こえ、思わずその場で飛びあがる程驚いたけど。
振り返って見ると、顔を赤らめている彼は。
「似合って、ます……」
「アリガトウ、ゴザイマス……」
二人揃って、変な反応になってしまったという。
「と、とりあえず……俺等も、行こうか。“環境に慣れろ”って、事みたいだし……」
「は、はぃ……そう、しましょうか」
という事で、黒沢君に手を引かれながらも。
私達もまた、川の中へと入ってくのであった。
あ、意外と気持ち良い。
気温やらその他諸々で熱くなった身体が、スッと冷やされていく気分だった。
そして……私、良く考えたら泳げませんでした。
◆
「皆と一緒に遊んでいても良いんですよ? それこそ、“環境に慣れる”一環という事で」
「い、いえ! これくらいはお手伝いさせて下さい! 一応、それなりに料理は出来るので!」
河原で散々遊んだ後、皆揃って水着のまま帰って来るという凄い経験を経て。
現状は、奥様のお夕飯準備を手伝わせて頂いていた。
余所者がキッチンに入ったら、むしろ邪魔してしまうのでは……? という事も心配していたのだが。
人数が人数だからね、流石に一人じゃ大変だと思ったので。
ナナさんと私でキッチンへ、男子諸君は未だに子供の相手を担当。
私達の教官こと、timelimit:10に関しては。
「子供達の体力に最後まで付き合うというのは、意外と大変なのですよ? 肉体面でも、精神面でも。それを鍛える為にも、最後まで笑顔で遊んでみましょうか」
だそうです。
全然訓練って感じはしないけど、何か凄く深い事を言われている気がする。
多分。
とはいえ今は、こっちはこっちのお手伝いを進めていると。
「白川さん……だったわよね? 凄く上手いのね……もしかして、お料理のプロの家系だったりする?」
何か豪華なお魚が準備されており、お刺身にしたり、頭は煮るって聞いたので。
ササッと捌いてみたんだけど、物凄く隣から覗き込まれてしまった。
「い、いえ。家事全般というか、こういうのも徹底的に教えられる家系ではあったんですけど……料理人って事は、無かったですね。母に教わったんですけど、専業主婦です」
「あらぁ、それじゃ実力の凄い方から教えてもらってたのね。近所の人でも、こんなに綺麗に捌く人少ないわよ? ねぇねぇ、もしかして綺麗な盛り方……みたいなのも、教えてもらってたりする?」
「え、あ、はい。全体の盛り付けまでやってよろしいのなら……教えられた範囲ですけど、お見せします……よ? 私がやっちゃって、大丈夫ですか?」
という事で、何かデッカイお皿とか船とか用意し始めた奥様。
これに対して新しく捌いた魚やら野菜やら何やらも含め、どんどん盛り付けて行った訳だが。
「ちょっとちょっと! 凄いじゃない! 豪華なホテルとかのチラシでしか見た事無いわよ!? ねぇねぇ、写真撮って良い?」
「えぇ、まぁ、えと……どうぞ。ご期待に沿えた様で、何よりです……?」
何だか興奮気味の相手はバシャバシャと写真を撮り始め、何故か私も一緒に写ってピースする事に。
写真、あんまり慣れてないんですけどね……。
うへへ、みたいな引き攣った様な顔で映ってしまったに違いない。
「相変わらず、シロちゃんの料理スキルはとんでもないね~。私は鱗取りで精一杯だよ……」
「あ、そっちも終わりました? ナナさん、ありがとうございます」
そんなこんなやりながらも、皆で次々と料理を拵えて行くのであった。
前のキャンプの時も思ったけど……大人数で料理するのって、いつもと違った楽しさがあって好きだ。
柘榴とAI

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柘榴とAI

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柘榴とAI

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コメント
1件
わあ、第149話、読み終えました!もうもうもう、合宿始まったばかりなのに情報量がすごいですね…!笑 まず水着の下に私服を羽織る謎のスタイルと、いきなりの川遊び、そしてまさかのtimelimit:10おじいちゃんのラッシュガードからのド迫力筋肉に度肝を抜かれました。4cardって言いかけてるの、めっちゃ笑いました。 白川さんが水着をじろじろ見られて「劣化版なので見ないで」って縮こまるところ、すごく共感できるし可愛すぎます。その後ろから黒沢くんが「似合ってます」って小声で言うシーン、編集者として「ここ、もっとじっくり描写して!」ってノートに書き殴りたくなりました。あと捌いた魚の盛り付けで奥様と盛り上がる白川さん、家庭的で素敵すぎます。料理の楽しさがにじみ出てる感じが好きです。 出っ歯さんがお腹ポンポコで子供たちの人気をかっさらってくのも、まさかのキャラのギャップで最高でした。田舎の子たちの「ラフレシア水着」もツボです(笑)。 まだまだ合宿は始まったばかりですし、白川さんの泳げないフラグも気になります…!続きが楽しみすぎます、くろぬかさん!