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第90話、読み終えました! 身体が安定してきて、黒沢君にガンショップへ連れて行ってもらうために映画を観に行く流れ、すごく素敵でした🕊️ 「デートではない」と言いながらも、お互いに意識している感じが微笑ましくて…あおいも“着るしかない”のくだりで思わず笑顔になりました。次が楽しみです!
「白川さん、あの後って……身体の方は、大丈夫? 通院とかは、してないんでしょ?」
「は、はいっ! そっちは全然問題ない……訳では、ないんですけど。段々慣れて来たというか、安定して来た気がします」
本日はお弁当を作る約束をしてあった為、お昼は黒沢君とご一緒する事になった。
その間に、彼は非常に心配そうな瞳を此方に向けて来るが。
件のお医者様……というかsecond。
彼に言われたのは、感覚が成長しただけだというお話。
そしてこの違和感を払拭する為には、適度な運動や健康状態が大事だというアドバイス。
更には4cardからも、“身体を鍛える事は心の安定にも繋がる”という格言を頂いてしまい。
慣れないながら、少しだけ運動を初めてみたのだ。
とはいえ元々の身体能力が低すぎる為、運動と呼べるのかも怪しいレベルだが。
筋トレします! ランニングします! みたいに言ったら、4cardから止められた。
リアルの私の様子を見て、らしいが。
急にハードなメニューをこなそうとしても、絶対に続かない。だそうだ。
なので、ウォーキングから。
あとは普段から姿勢に気を使う事。
たったこれだけでも、反射的に動けるかどうかが変わって来る。
すなわち、咄嗟に動こうとした時でも安定した姿勢が保てる……らしい。
そんな彼からはメインキャラ練習の最後に、リアルでの運動のアドバイスまで頂いているという。
何とも色んな人にお世話になりっぱなしの日課となっているのだが。
まぁうん、普段の私……姿勢悪いしね。
どうにもこう小さく見せると言うか、心境的にも縮こまっているのが身体に現われていたらしく。
背筋を伸ばして、ほんの少しでも良いから胸を張る事を意識する様に言われてしまったのだ。
自信などいらない、健康の為に胸を張る癖をつけろと仰っておりました。
「本当に……無理はしないでね? また何かあったら、俺で良ければ相談して? 送迎もするし、気晴らしにだって付き合うから」
色々と話せない事が多過ぎて、どうしても説明不足になってしまう結果。
相も変わらず、黒沢君からは心配そうな眼差しを向けられてしまうのであった。
これはこれで、非常に申し訳ないけども。
本当に、大丈夫なので……。
担当サポーターを間に通す形にはなるけど、業務連絡的な意味でメンタルケアのプロに相談出来る位置に居るし。
普段の肉体的トレーニングのサポートに関しては、実戦経験まであるプロが付いているので……とは、流石に言う訳にもいかず。
とはいえ、私の違和感はまだしも。
身体的な感覚の“ズレ”によるトラブルは、4cardに教えてもらった通りやったらグッと減って来たし。
むしろ、前よりも身体がスムーズに動く気がする。
なんて言っても元がポンコツなので、他の人から見れば誤差みたいなモノだろうけど。
「本当にそっちは大丈夫なので、心配し過ぎないで下さい。お医者さんにも大丈夫だって言われましたし、一時的なモノだったみたいですから。黒沢君のお兄さんにも相談に乗って貰いましたし、今度お礼をしたい所ですけど……」
「そ、それこそ気にしないで!? 兄貴に関しては、割と忙しい時と暇な時がハッキリしてる人だから。お礼なんて、俺からちょっとすれば良いだけだしさ! 白川さんは、ホントそっちは気にしなくて良いから!」
だ、そうで。
とは言ってもなぁ……何もしないというのも、申し訳ないし。
かといって、学生である私から何か出来る事があるかと言われると、あんまり無い。
なので、やっぱりそっちは手詰まりになってしまうのだが。
「ぁ、あの……お礼やお詫びとは別の話になってしまうんですけど。また、ちょっと黒沢君を頼っても良いですか?」
会話のついで、と言っては聞こえが悪いが。
このタイミング思い出した事があり、会話の流れでまた“お願い”を口にしようとしてみると。
「何でも言って! こんな何回もお弁当作って貰ってるし、いくらでもお礼するから!」
物凄い勢いで、彼は此方の話に食いついて来た。
何だか、逆に申し訳なくなってしまうけども……けど、やっぱり私が“銃”の事を相談するとなると。
真っ先に思い浮かぶのは黒沢君な訳で。
「えぇと、ですね……また、お時間がある時とかで良いんですけど。ガンショップに連れて行ってもらいたいというか、一緒に来てほしいなぁ……と。私一人だと、どうしても緊張してしまうのと、見ているだけではよく分からないので」
お兄ちゃんから言われた、6keyの新しい武装の件。
これに関しては、完全に兄に任せきりという訳にもいかず。
私の方でも、気に入ったデザインや種類などがあれば報告してくれ、との事。
その為、暇があれば映画や他のゲームに触るのも良いだろうと。
映画ならまだ何とか……でもゲームとなると、やはり時間がかかってしまうので。
ここ最近は、空いた時間や寝る前に動画サイトを見たりしているのだが。
やっぱりこう、よく分からないというか。
ガンサバをやっているのにこんな事を言うのは、非常に申し訳ないのだが。
チラッと写ったりするだけだと、やはりどれも一緒に見えてしまう訳で……。
そんでもって、銃ばかり意識して見ていると、内容が全然頭に入って来ないと言いますか。
「全然良いよ! というか、もしかして欲しいモデルガンとかあるの?」
快諾してくれた黒沢君は、非常に嬉しそうな表情でブンブンと首を縦に振ってくれるけども。
こんな相談、おかしいと思われないだろうか……。
「むしろ、“欲しい銃”を探す為に……いろんな銃が見たいというか。見ただけじゃ分からないので、黒沢君にも相談に乗って欲しい……と言いますか」
「……うん? 新しい武器は欲しいけど、どんなのが良いか分からない……みたいな?」
「そ、それに近いです! でもでも、今回はハンドガンでして……こう、形とかそういうので決めたいんですけど……何かこう、オススメとか……」
説明できる範囲が、少ない!
これじゃとにかくモデルガン欲しいけど、何でも良いって聞こえちゃうよ!
こういう発言って、詳しい人からしたら嫌味に聞こえちゃうかもしれないのに!
とか何とか、いつも通り心の中では必死で頭を下げていたのだが。
彼は、フムと唸ってから。
「えと、前にさ……俺の好みを教えてっていうか……その、“デート”の前に、色々知りたいって。そう、言ってたよね?」
「う、ぐっ!? は、はぃ……言いました」
改めてデートという発言を出されると、なんかもうソレだけで恥ずかしくなってしまうけども。
でも黒沢君の好みが知りたいというのは本当な訳で。
それを知った上で、お互い楽しめる様な環境を作りたいという気持ちは今でも変わりない。
その為、自分でも分かる程真っ赤な顔でブンブンと頷いて見せると。
「白川さんの“欲しい”って思う条件を、色々聞いてからにはなるんだけど……具体的なモノが無いのなら、別の方向からオススメしてみても良い? それこそ、性能とか使用感を度外視した様な物になるかもしれないけど」
「え、と? それは銃のお話……ですよね? 別の方向から、と言いますと?」
彼の発言に、思わずキョトンとしてしまったが。
彼はポケットからスマホと取り出し、ちょいちょいっと弄ってから此方に画面を見せて来た。
そこに映し出されていたのは……何かの映画の、ポスター?
「俺がモデルガンとか買う基準って言うかさ、コレ格好良いなって思う時って……大体、映画とかゲームの影響なんだよね。性能がどうとか、どこでどう使われてるかって事じゃなくて。あの主人公が使っていた武器だ、このシーンで活躍した銃だって思うと……欲しくなるっていうか」
ちょっとだけ恥ずかしそうにしながらも、ポリポリと頬を掻いた彼は。
今一度、此方を向き直ってから。
「この映画、今やってるヤツでさ。シリーズの続編ではあるんだけど、単品で見ても面白いって有名なヤツで。それに結構カスタム拳銃とかも出て来て、格好良い武器がいっぱい登場するんだ。だから、えっと……一緒に、観に行きませんか? デートとかではなく、ホント、一緒に映画見るだけって感覚で……良いので」
それだけ言って、ペコッと頭を下げられてしまうのであった。
え、えぇと……確かに、ありがたいお誘いではあるし。
今の私の要望にピッタリ、というか“欲しい”という気持ちを別角度から見るというのは良いかもしれない。
けど、それはデートなのでは?
あれ? 私が気にし過ぎなだけ?
でもそっか、一緒に映画を観るだけなら、ほとんど前お出かけした時と変わらないのか。
目的があって、そこへ行って、一緒に行動してもらう。
ある意味、付き添ってもらっているって状況に近い……のか?
不味い、いよいよデートの定義が分からなくなってきた。
とはいえ。
「映画館で観る……って事、ですよね?」
「も、もちろん! 家で一緒に観ようとか言い出してる訳じゃないから! ホント、参考になればなって!」
私としては、他の人がいっぱい居る中へ行くより、家で二人で映画を観る方が落ち着けた可能性もあるが。
まぁ、そういう問題では無いのだろう。
とにかく、彼は私の我儘にまた応えてくれようとしているのだ。
これがデートでは無いと言うのなら、むしろ断る方が失礼というものだろう。
だって、私からお願いした事だし。
という事で。
「そ、そういう場所は……慣れて、ないんですけど。黒沢君が一緒に居てくれるのなら、えぇと、その。頑張って、行きます。一人じゃないなら、映画館……行きます」
こっちも赤い顔で、そう答えるのであった。
でも良かった、先週の休みにsevenにコーディネイトしてもらって。
映画館に一緒に行くのに、またダサい格好では引かれる可能性が高かったので。
彼女が選んでくれた組み合わせのどれかを着て行けば、きっと間違い無い筈だ。
そんな訳で、少しだけ心の中に余裕が出来たのだが……。
あれ? そもそも黒沢君と一緒に出掛ける為の服を、sevenには選んで頂いた訳で。
それは“デート”というモノに対し、私が失礼の無い様にする為、だった筈。
これをその時に着てしまって良いのか?
しかし着ないと、私はダサい。
つまり、着るしかない。
んん? これは、デートと言うものと、どう違うんだろう?
しるあっと
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