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お付き合い(仮)
「おれと…おれと付き合ってください、!」
「…ぇ」
意をけして、長年の想い人に告白をした。
彼のことがどうしようもなく好きで、好きで、好きで。
仕方がなかった。
困るって分かってた。
性別の壁も、性格も、阿部ちゃんが俺のことをそんな風に見ていないことなんて知っていた。
案の定、突然の告白に戸惑っているご様子。
でも、我儘なおれは自制が出来ない。
「ずっと、ずっと阿部ちゃんが好きで
付き合いたいなって、思ってた」
「…うん」
「だ、からね、?その、」
”恋愛感情が無くてもいいから、
付き合って欲しい”
言ってから後悔した。
でも、離れて行って欲しくなかった。
無理だと分かっているから、この儘想いを伝えて引き下がればよかったのに。
「…いい、よ」
「っえ?」
思わず情けない声が出た。
阿部ちゃんに迷惑かけるだけなのに、なんで?
少し苦しそうな顔をして目線を逸らした阿部ちゃんの睫毛は綺麗だった。
0.
同居を提案してくれたのは、阿部ちゃんの方だった。
” どうせなら カップルらしいことしようよ”
なんて、ドヤ顔で言われて。
必要最低限のものを持って、阿部ちゃんの家で一緒に住むことが決まった。
同居、成立。
同居成立した、だけ。
期待なんてしちゃいけない。
おれらは、世間一般的にはカップルではないのだから。
ただ一緒に住んでいる男2人。
それだけ。
手を繋ぐことも、一緒に寝ることも、キスも、…それ以上のことも。
求めてはいけない。
阿部ちゃんのおれを見る目は優しい。
でも、それは
”メンバーとして”だから。
恋愛感情のない「お付き合い」として成立させるために。
我慢しなくちゃならない。
…筈だった。
新ストーリーです。
そんなに投稿頻度多くないのに新ストーリー更新しちゃうっていう。
まだ初投稿のストーリー完結してないし…
頑張ってあっちも仕上げまーす…
あ、あべなべです💚💙✨
コメント
2件
めっちゃいい!