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一年前の同じ日、俺もここに入学していた。
どんな楽しいことが待ち受けているのかと心を躍らせながらここへ来た。
だが一年経った今、あの日思い浮かべたような夢の日々なんか存在していない。
今日ここへ入学してくる後輩たちも、あの日の俺と同じように夢を浮かべているのだろう。
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そんなことを思いながら、俺は椅子に座り外を眺めていた。
「彗(すい)〜、おはよ」
生まれた時からずっと一緒にいた幼馴染。
「颯(はやて)、朝からうるさいな」
「ひどーい …てかさ、なんで新1年の入学式に俺ら2年まで参加しなきゃいけねんだろ」
「まじでそれな…だりぃ」
「まあた校長の長い話始まんぞ」
「最悪」
たわいもない、くだらない会話しかしないような仲で、こいつはいつも俺をからかってくる。
「今日も彗チャンはちっちゃいねえ」
「黙れよ、お前がでかいんだよノッポ」
「あはは、ちっちゃいよりマシ」
「くそが…」
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「ーーー…改めて、新一年生の皆さんご入学おめでとうございます。この結果はみなさんがずっと努力してきた結晶です。ーーーー……」
なぜ2年も3年も参加しなければならないのか本当にわからない。
校長の話は長くつまらなく、あくびが出そうになる。
そんな長い話も終わり、一年生たちひとりひとり名前を呼んでいっている。
「ーーー…、天野瑚珀さん」
そのときから、
王子様みたいだと思っていた。
その名前の人物は席を立った。
茶髪で、背が高くて、足が長くて、モデルみたいなスタイルだった。
後ろ姿しか見えなかったけど、きっと顔もいいんだろうと、そのときから思っていたんだ。
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入学式も終わり、新一年生が入学してから2週間ほど経ったある昼のことだった。
俺がトイレに行こうと廊下に出ると、床に誰かの学生証が落ちていた。
〈1年5組 天野 瑚珀〉
「あまの…、 入学式んときの王子か」
「なんで2年棟の廊下に1年の学生証が落ちてんだよ」
そう思いながらも、学生証をその王子に届けてやろうと思った。
だが、急に1年棟に一人で行く勇気はない。
困っていたが、便利な奴がいたんだ。
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「颯!」
「なーに」
「天野って1年知らん?学生証落ちてて」
「インスタなら知ってるよ、フォローしてないけど」
「教えて、DMする」
「んー」
こいつは顔が広いから、1年にも知り合いがいる。
便利な奴。
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天野のアカウントを見つけた。
「2年の伊澄です。学生証が落ちてたから明日届けに行くね」
こうやって、朝の10時半にDMを送ったが返信は来ず、1時間経っても既読さえ付かなかった。
俺にとって急用ではないから、別にいいかという気持ちだった。でも、返信も既読もつかないのは霧が晴れない感覚がした。
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あれからDMを送り4時間後の昼の14時になり、既読がつき返信が来た。
「まじですか?申し訳ないんで俺が行きます。クラス教えてください、明日の昼休みに行きます」
「いいの?じゃあ待ってるね。6組だよ」
こう返信を返したあとも、すぐに返ってくることはなかった。
あれから40分経ち返信が来た。
「あざす」
たった一言なのに、40分もかける必要なんてないだろ。
そう思った。
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「彗ちゃん、天野に連絡できたの?俺がアカウント教えてあげたもんね」
「した 明日の昼休みに取り来るって
けどなんか無愛想だった てかちゃん付けすんなきもい」
「そうなの?」
「そっけないし冷たいし…既読も返信も遅いし」
「はは笑 生意気って感じ?」
「うん、まあ王子だし顔はいいんだろな〜…」
「関係ないよ笑」
颯に話した通り、王子はそっけなかった。
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登場人物
・伊澄 彗(いずみ すい)
学年、組:2年6組 部活:バレー部 身長:161cm 誕生日:1月25日 颯と幼馴染
・奥野 颯(おくの はやて)
学年、組:2年6組 部活:バレー部 身長:179cm誕生日:8月16日 彗と幼馴染
・天野 瑚珀(あまの こはく)
学年、組:1年5組 部活:未定 身長:181cm
誕生日:4月31日