パチパチ
黄「ん…?どこだここ、めっちゃ豪華な部屋なんだけど、」
ガチャ
メ「失礼致します。ルリザ様、食事の準備が出来ております。」
黄「ん?誰のことですか?…」
メ「え?だからあなた様の事ですが…、」
黄「僕がルリザ様なんですか?」
メ「え、そうです…てかいつもの口調とも違いますね…どうしたんですか、悪い夢でも…?」
黄 (まってまって…ルリザってもしかしてのもしかしてだけどあのBL小説の?!最悪だ…よりによって追放までされる悪役なんて…いやまてよ、ヒロインにも邪魔しなければ平凡で優雅な暮らしを送れるんじゃないか…ヒロインとの恋も応援すべしだ…そうとなれば早速実行だぁぁ!、)
黄「ぇーっと、悪い夢でも見たから、頭の記憶があんまりなくてだな…」
メ「え!そうなんですか!医者をお呼び致しましょうか?」
黄「いや大丈夫だ…それより学校とか部屋とか色々教えてくれないか?」
メ「え、あ、はい…(そこまで忘れてるんですか…)」
黄 (どうやら僕は悪役のルリザ・フォンティル
に転生してしまったようです…)
黄 (そしてここが、ヒロインを取り合う色々なキャラがいる、フラガリア高校付属大学である)
黄「前世っていうか本に入る前の僕とかただでさえ馬鹿だったのに、こんな貴族が入る学校でやっていけるかな…」
ドンッ
黄「いててッ…あの大丈夫ですk…」
リ「す、すみません!!!入ってきたばっかで場所がわかんなくて、迷子になってしまって…俺、リリー・メリッサっていいます!!」
黄 (いま、リリーって言ったよね…ヒロインなんだが…てか耳はついてないけど、めっちゃりいぬに似てるぅ…似てるっていうかドッペルゲンガーじゃん、)
黄「いや、大丈夫です…、ちなみに何年何組なんですか?」
リ「えっと1年B組です!」
黄「ぇ、ぼくと一緒だね…」
リ「そうなんですか!じゃあ友達になるついでに場所教えてください!!」
黄「そ、それが僕も忘れたんだよ、なぁ…」
リ「え、どうすれば…」
カーンカーン
リ・黄「や、やばいっ!!!」
リ・黄「すみませんっ!!遅れましたぁっ!!」
教授「はぁ、リリーさんはまだしも、なんでルリザさんが遅れるんですか…まぁ1分程度なので許します。早く席に座りなさい…」
黄「ぇっとすみません、席って何処ですか…」
コ「お前どした?w俺の横だけど」
黄 (あの名刺…コロン・ローズだって?!、最終的にヒロインと結ばれる人気キャラ…、ルリザとは婚約者だけどヒロインを虐めて、婚約解消と追放で呆気なく終わらせられちゃうんだよね…ころちゃんに似てるし…)
コ「今日おかしくね?髪もなんか落ち着いてるし…」
黄「いや、悪い夢でも見たのか記憶ないんですよね、」
コ「まじでいってんのか、?まぁいいや今日僕ん家集合ね遊ぶから」
黄「え、あ、はい」
教授「はい、お静かに。今日から転校生が入って来ました。自己紹介お願いします。」
リ「初めましてっ!リリー・メリッサっていいます!好きなものはお花です!!」
黄 (この自己紹介でヒロインとローズは目が合い、どちらも一目惚れするんだ!僕は2人の邪魔をせず、家でぐーたら生活を満喫するんだぁ!…さてさてリリーは一目惚れ状態で顔が真っ赤になっているであろう…)
コ「ルリザ、あの子と一緒に遅刻してきたけど、なんかあったの?」
黄 (さっそく食いつきてきたか…)
黄「えーっとね、リリーが迷子になってて一緒に来たんだよね…」
コ「ふーん、」
教授「では、ルリザさんの前の席が空いてるのでそこの席にお座りください。」
リ「るぅちゃん!さっきも会ったけど巻き込んじゃってごめんね!」
黄「る、るぅちゃん?」
リ「なんかルリザって堅苦しいし、いいよね?」
黄「いいけど…」
リ「やった!俺のこともなんて呼んでもいいよ?」
黄「じゃ、じゃありいぬ?」
リ「え?いぬ?」
黄「だって犬みたいだから…」
リ「犬かぁ…じゃあるぅちゃんは俺の飼い主かな?、よろしくね俺のるぅちゃん♡」
チュッ♡
黄 (ん?今のは聞き間違いかな?口ではないことは確かだが、手に感触があったような…きっと気のせいだ…俺のるぅちゃん?え?え?)
コ「は?なにしてんの、」グイッ
黄「うわッ」
コ「僕の婚約者なんだけど、手出すのやめてくれない?」
黄 (なにこの状況、君たちほんとに結婚するの?てかルリザのこと見向きもしてなかった気がするんだけど…僕がルリザに転移したことで変わってるとかありえるの?)
リ「あ、すみません、全然知りませんでしたwでもるぅちゃんに手も出せない婚約者なんて所詮いないもんだもんね?」
リ「ごめんだけど俺が貰うから…転校してきてラッキー、こんな可愛い子貰うしかないよね…」
教授「ほらそこ!!転校生が来て緩んでるのか知らないけど…授業指しますからね!」
黄「す、すみませんっっ!」
コ「なんかいらつく…」
Ep.1 転校生と婚約者
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