テラーノベル
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この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
⚠吐夢×玖村
※軽く説明
吐夢→”マッチング”という映画で佐久間さんが演じた色々ヤバめの特殊清掃員
玖村→”あなたを奪ったその日から”というドラマで阿部さんが演じた不憫な元家庭教師
なんですかねこれは、クロスオーバー的な?アレに??なるんですかね???
属性一緒やなぁ、出会ったらおもろそうやなぁ、書くかぁ…で書き始めたんで全然筆が進まんです
自分でも何を書いてるかわからんくなったような話なんでお時間無駄にしても大丈夫だよって方だけ先に進んでもらって…
吐夢→「」
玖村→『』
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玖村side
なんで俺ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないんだ。俺が何か悪いことをしたか?ただ、将来のために家庭教師をしていただけなのに。ただ、呼ばれた家に訪問しただけだったのに
『……、くそ、…ッくそ!!!』
無性に腹が立ってきてしまったから路地裏に入って壁を叩くと脆い素材だったのかバン、と大きな音が鳴った。この音に関しては自分で出したものなのにそれさえも俺の苛立ちに繋がる。強い怒りに支配されていた筈の俺の目からは何故か涙が溢れてきて、それが頬を伝うのさえ拒めない。これからどうやって生きていけばいいんだろう。今までは復讐という目的があったけれど、それがなくなってしまえばもう俺は空虚極まりない。いっそのこと、死んでしまおうか
『…空、綺麗だな』
見上げるとそこには古い建物たちの間からいびつに切り取られた青い空が広がっていた。あそこに行きたい、行けたらどれほど幸せだろうか。久々に心が躍った。…まあ、俺みたいな人間死んだところであんな綺麗なところに行けるわけがないんだけど。それじゃあいよいよ行く宛が無いじゃないか
『……俺は、俺みたいな人間は、生きるのも死ぬのも中途半端で、選ぶことさえ…許されない、のかな…』
ほろりと零れ落ちた本音は誰にも届かず宙に消えた…筈だった。背後に彼が、居なければ
「…そんなことは、無いんじゃないでしょうか」
『…ぇ、?』
振り返ると、自分より幾分小さな男性が立っていた。全身真っ黒で、でも色白で、染めているのか髪だけがやけに明るい。白なのか銀なのか、変色した金なのかはわからないけれど、とても不気味で美しかった
「…僕は、不運な星の元に生まれたんです」
『…はい、?』
「僕は、生まれて直ぐに駅のコインロッカーに捨てられました」
『…それ…は、確かに、不運というか、人生ハードモード過ぎるというか…笑』
「僕の親に通じるものは、ペンダントしかなかった」
『…ペンダント?え、でもつけてないですよね。形見なのに持ってないことある?』
「何年もかけて母親まで辿り着いて、もう必要では無いから置いてきたんです。」
『あ、そうなんですか。…それはどこに、?』
「…僕には、兄妹が二人居ます」
『待って何の話ですか』
「一人は…」
わかんねえ、全然わからん。何この人なんでずっと自分語りしてるの?俺のこと励ますために話し掛けてくれた優しい人なのかと思ってたらやべえやつじゃん。口調は丁寧なものの、何を言っているのかわからない、ハチャメチャだ。不運の星の元に生まれたってなんだよそもそも、お前が不運の星の元に生まれたんなら俺は因果の星の元にでも生まれたのかな。どうせ前世もろくでもない人間だったんだろうし
「…僕は恋愛が苦手なんです」
『え、俺もですよ。一緒ですね』
そう言うとやっと反応があった。驚いたように此方を見詰めている。なんだろう、俺がそんなに器用そうなやつに見えてたのか?
『…あの、良かったら名前、教えてもらえませんか?』
「…トムです」
『トムさん?え、でも日本人じゃ…』
「夢を、吐く。吐き出した夢で、吐夢。永山吐夢です」
『…いい名前ですね、かっこいい』
「いい、名前…」
トム?なんかどこかで聞いたことあるような気がする。どこで聞いたんだろう
『俺たち、何処かで会ったことありません?』
「会ったことは…ありません。でも、僕は貴方のことを知っていますし、貴方も僕のことを知っている」
『は?』
「それにはちゃんと、理由があるんです」
『どういう…?』
「…覚えていませんか」
徐に彼が取り出したスマホの画面に書かれていたのはマッチング成立の文字
『…俺、と、吐夢さん…』
「はい、数日前マッチングして、明後日会う約束になっていました」
『…あー、え、あの吐夢さん?』
数ヵ月前、アンストし忘れていたマッチングアプリでたまたまマッチしてしまって、仕方がないから明後日会うことにしていた好青年。それが目の前の彼、永山吐夢だったようだ
『ずいぶん写真と…雰囲気が違うんですね』
「……」
『あ、悪い意味じゃ無いですよ?俺だって、いつもこんな服しか着てないし…笑』
「…そうですか、」
なんでこんな会話弾まないんだよ、俺結構頑張ってる筈なのに。というかぼそぼそ喋られるせいで所々聞こえない、大丈夫なのかなこの人ほんとに
『…あの、俺そろそろ帰らなきゃなんで』
「…送ります」
『…ん、?え、いや良いですよ、もう遅いし俺男だし』
「…いえ。…今の時代、男だとか女だとか、もう関係ないんですから」
『…だとしても、俺の方が体格も、』
「家の方向、一緒でしょう?」
『ぇ、?』
「方面、こっちですよね」
彼が指し示した方向は確かに俺の帰路と一致していた。知っているのか?俺の家を。いやそんなわけ無いよな、俺の家を知るメリットがないし方法もないんだから
『そう…ですけど、』
「それなら、いいじゃないですか。…帰りましょう」
スタスタと俺の横をすり抜けて歩きだすとふわり、何だか生臭いというか腐敗したような香りが彼から微かにした。暫く前を歩いていたかと思うと振り返り
「…来ないんですか?」
『あ、いや、行きます、』
その日は結局テキトーな理由をつけて途中でわかれて家路についた。あんな人と明後日また会わなければいけないのか…なんか、気が進まないな
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吐夢side
街中で偶然出会ったマッチングアプリの彼は、写真通り死ぬ直前の何か弱い生き物のような目をしていた。僕が目にしてきた生き物の中で最も惨めだった一方で、最も艶やかに僕の心に残った。この人と僕は、出会うべくして出会った。このマッチングは運命であり必然であった。そう考えると無性に愛おしさが湧いてきて、彼を俺が守ってあげなくてはと思った
「…ふぅん」
彼が家まで帰るのを見届けてから自宅へ戻り、頭を掻いた
コメント
2件
なんだか、凄い贅沢な感じがします‼️‼️
吐夢と玖村だ!! 神です!もうこの作品神作品ですよ!?どっちも好きすぎます!!!