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美しい薔薇のアーチが特徴的な薔薇園のあずまやで――あたしはひとり、呼びだした親友がやってきてくれるのをじっと待っていた。
意識を朦朧とさせる薬物によってレインをだましてから翌日、彼とあたしの噂は異様なほどにまたたく間に広がり――おそらくラシッドが情報操作をおこなったのだろう――あたしは、セラフィナの宮廷の人たちから驚きと困惑の目で見られるようになっていた。
ラザラスの聖女というだけでもどこか遠巻きに見られていたのに、さらにレインワルド殿下と男女の関係をもったとあっては……無理もないことかもしれない。
あまりにもいたたまれなくて、気を強くもっていないと心が折れてしまいそうだけれど――もう、後戻りはできなかった。
これも海春のため、そう、海春のためにやったこと……!
セラフィナの王族にたぶらかされている彼女を助けるためには、こうするしかなかった。
海春と再会したあのとき、彼女があた****************
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