普段通り
…ピピピッ…ピピピッ…
室内に鳴り響く目覚まし時計の音で目を覚ました。寝起きで重い上半身を起こし、煩いほど鳴っている目覚まし時計を止める。横にある窓のカーテンを開き、朝の太陽の光を浴びる。悪くない一日の予感がした。
時計を見ると学校にはまだまだ時間に余裕があった。今日は母とのしっかり3食食べるという約束も初めて果たせるだろう。そんな事を隅で考えながらぼさぼさの蓬髪を簡単に整えながらベッドから床に足を付け、台所へとゆっくり歩く。朝ご飯は何にしようかと考えながら。
冷蔵庫を開けると昨日作ったサンドイッチ、飲み掛けの牛乳、ベーコンにウインナーと卵。そんなくらいの物しかはいっていなかった。無いものはしょうがない。願っていても手に入る訳でも無いのだから、冷蔵庫から先ほど確認した食品を取り出し朝食のメニューを考える。食パンはまだ残っているからベーコンとスクランブルエッグを食パン乗せよう。これなら母も文句ないはずだと朝食のメニューを考えると食パンをトースターへ、ベーコンと卵はフライパンへと簡単な調理を開始した。
最近料理していなかったからだろうか。ベーコンと卵は焦げた。何とか食パンはいい感じの焦げ目となるが、ベーコンと卵はほぼ真っ黒だ。もうどうしようもない。トーストに焦げたベーコンとスクランブルエッグを乗せ、豪快に齧り付いた。まぁ、焦げているが食えなくはない。今度は料理の腕が鈍らぬ様に定期的に料理しなければなと心の中で苦笑した。
ぺろりとトーストを平らげると顔を洗いにと洗面所へ歩き鏡の前で自身の顔を見た。特に変わったことは無かった。
ゆっくりと身支度を済ませているともう既に登校する時間の10分前だ。急がなければ学校に遅れてしまう。急いで制服を取りに寝室へと走った。
シャツに袖を通し、牡丹を閉める。ネクタイを締め、上着を羽織る。携帯を持ち、バッグを背負う。急いで身支度を済ませても、もう登校する時間だった。早くしなければ遅れてしまう。
玄関の鍵を閉めたのを確認してから急いで駅へと走る。電車の出発時間までには着くことを祈るばかりだ。息を切らしてもまだ走る。
出発時間ぎりぎりで着いた。しかし、人が多く入れるかはまだ何とも言えない。いや、入れるかでは無い、入らなければ。
目の前の女性の後を辿り、何とか電車に乗ることが出来た。しかし、痴漢です!などと言われたりしないだろうか。不安だ。最近の陽キャ女子高生は何をするかなんて予想出来ないだろう。何とか移動の出来るスペースをバッグで確保していたので女子高生から少し離れた場所へ移動出来た。これで安心だ。痴漢も疑われないはずだ。
すると、女子高生が此方を不意に振り向いては俺の事を見詰めている。何か可笑しな寝癖でもついているのだろうか、じーっと見詰めている。不安でしかない。
しかし、そんな不安は要らなかった様で何事もなく駅を降りる事が出来た。心配性なのか、俺は。
ここからは気楽だ。電車を乗ることが出来なければかなり痛手だったが乗る事が出来たのだから歩いて学校まで行けた。何事もなく。
今日もいつも通りだ。
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