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王女の心中はその時どうだったのでしょうか?
父親の国王の横暴ぶりは耳にしていたし、サイラスには『カラクリ人形』や『天国開発部門の創設』などの発言令に得体のしれないものを感じていたので、城の噂に根拠がなくともその処刑の噂を信じざるをえなかったかもしれません。
その思いを知っていた開発部門の所長は、心の内でクルミ王女から真骨頂の天国の記憶を呼び覚ましてはならない。
何故ならもう一つの天国、皆が本当に待ち望んだ、前代未聞の人が造りし人工的な身体を所持した本当の意味での天国をサイラスは提唱していたから。本当の天国が夢で終わらない事を無闇に期待させるべきではない。
それがあるので今回のサイラスの発言令の一件は、一旦、彼自身に身を退いてもらう方が賢明。会うのは彼が冷静に冷戦時代を観られる様になってから。少々の間、会わせてはならない。天国禁止令が国王から出た事は知らせずにいよう。天国計画は自問自答を開発部門の主たちにしてもらい、王女は何千年も続くかもしれない壮大な計画からの特設領地に住まわせ天国は夢のまた夢、儚き事だと説得をし、始まった計画は忘れさせようと思い始めていたのです。
それぐらい彼は重要な役職だったのです。
クルミは思っていました。
『その人とお見合いをしているなんて……』