テラーノベル
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彩香さんが釣り上げたところで夜の部は切り上げて、帰ってきた。
本当はまだまだ釣りたかったのだけれど。
「足場もそろそろ見えなくなるしな。それに青物の大物狙いなら、朝の明け方一発が一番いい。撒き餌用のアラもまだまだあるし、決戦は早朝!」
そんな川俣先輩の意見に押されたのである。
最後に、彩香さんが釣ったフエフキダイ。
これがちょい変わっていて、美味しそうだ。
大きさも、結構大きいし。
帰ってすぐ、魚を下処理。
内臓を出す位のつもりだったけれど。
「これとメバルは、明日以降、焼き霜作りで茶漬けなんていいと思いますよ。だから、あえて皮を引かずに下ろしますね」
そう言って先生が、ささっと下ろしてしまった。
残りの内臓やアラとかは、
① 骨の部分はオーブンで焼いて出汁用に
② 肉がある部分は粗めに叩いて、内臓類はそのまま塩漬けにしてエサ用に
さくっと捌いてしまう。
なお、帰りはうちが一番遅かった。
他は岩場とかを回って釣ったり、魔法であれこれやったりして戻ってきたらしい。
覗いて見ると、冷蔵庫に下処理済みの魚が増えている。
「この大きい黒鯛はどうしたんですか」
「夜に、かなり近いところまで来ていたから、電撃一発」
「このメジナも?」
「同じく」
容赦無く魔法を使った模様だ。
えげつないけれど、効果はてきめん。
こんな大きいの、釣れないし。
「こっちは駄目駄目だったな。行く先々で、ゴンズイの群れが出てさ」
「あれも美味しいとは聞くけれどさ。小さいし、毒針が怖いから止めておいた」
秋津男性陣は、不漁の様子。
まあ、この2人は昼間に幾らでも突きで獲れるし、余裕というところだろう。
先生達は、もともと夜に出る気は無い模様。
「全員戻ったし、もうアルコール解禁ですね」
なんて、小暮先生がウィスキーを出しているし。
何か、先生が怪しいつまみも出しているし。
「その先生の食べているのは、何なのですか」
「小魚のカリカリジャーキー風ですね。小魚を軽く塩漬けした後、開いてオーブンで、しっかりカリカリに焼いたものです。昼に網ですくった残りで作ったんですよ」
「現地調達だと、ウィスキーに合うつまみが少ないので」
おいおいおい。
でも、美味しそうだ。
「寄越すのですよ」
佳奈美さんが強奪したのに続いて、皆で味見。
軽い塩味で、なかなかいい感じだ。
ちょっと固いけれど、スナック感覚。
噛みしめると感じる味の深さは、流石自然ものだ。
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