テラーノベル
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「いろいろ考えちゃってるでしょ? でも今はそういうことは気にしないで、萌音は初めての恋愛を楽しんで。重くならない程度に萌音を愛するから……俺が欲しくなったらいつでも言ってね」
「……やっぱり翔さんってむっつりスケベなんだわ……昨日だって、あ、あんなところにキスしたりするし……」
「まぁ男なんてそんなものだって。好きな人をこの手に抱きたい、好きな人の中に入りたい、好きな人と一つになりたい……」
萌音の顔が一瞬で真っ赤になる。それを見て翔は満足気に鼻を鳴らす。
「八ヶ月後のことは考えないでおこう。大丈夫。ちゃんと二人の幸せを考えているからさ」
それってどういうこと? そう聞こうとしたが翔に唇を塞がれてしまい、何も言えなくなってしまった。
「さて、華子さんに怪しまれちゃうからそろそろ行こうか。第二ラウンドが始まったって思われちゃうよ」
「だ、第二ラウンド⁈ それは困る!」
萌音はベッドから降りると、翔の前であることをすっかり忘れて部屋着に着替える。それを翔は驚きつつも、ニヤニヤしながら眺めていた。
「うーん、なかなかいいものを見てしまった」
翔の呟きで事態を把握した萌音は顔を真っ赤にしてから彼の背中を押して部屋から出そうとする。
「は、華子さんが待ってるから早く行きましょう!」
「はいはい、照れなくてもいいのに」
そして二人は急いで階下の華子の元へと急ぐのだった。
* * * *
慌ただしく朝食を済ませてから翔を見送ると、萌音は一度寝室へと戻った。人と会う予定はなかったが、仕事をするため動きやすい服に着替える。
ふと乱れたベッドの様子を見て昨夜のことを思い出す。何度も何度も翔とキスをした。初日からあんなに深いキスってありなのかしら……それに……!
思わず胸を隠すように押さえる。唇が触れることがキス……胸に感じたあれもキスになるんだろうか……。
今まで味わったことのないような息苦しさ、体の奥からやってくるゾワゾワとした感覚。まるで風船が弾けたかのようなふわふわ感。
胸だけであれなら、最後までしたらどうなるんだろう……怖いけど知りたくなる。
部屋が暗かったから翔がどんな表情だったのかちゃんと見ることも出来なかった。からかっていたのか、それともいつもみたいに優しく見つめていたのか……。
ベッドに倒れ込むと、布団に微かに残る翔の香りを見つけて胸がトクンと高鳴る。
「私……翔さんのことがこんなに好きだったんだ……」
独り言のように呟くと、恥ずかしさとともに喜びが湧き上がる。
その好きな人が、期間限定とはいえ恋人になった。こんなに素敵なことってない。彼に愛されるなんて夢みたい。
そうよ。彼の言う通り、今はこの関係を楽しもう。一生続かななくても、こんな幸せに出会えたのは奇跡だから。
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