バレンタイン大遅刻すみませんッッ!!
注意
青水 bl
地雷の方はお逃げ下さい
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ほとけside
「……..どうしよう、」
2月14日、バレンタインという一大イベント。
そんな中、机に置かれた青い袋に水色のリボンで結ばれている少し不恰好なラッピングと睨めっこ中の僕。
中には一口サイズの生チョコが入ってる。
料理なんか全然やってこなかっただけにりうちゃんやアニキみたいな手の込んだものは作れないけど、
色々簡単な作り方を見て勉強して、それなりに上手に出来たと思う。
手を少し切っちゃったんだけどね、
まぁ これを渡す相手というのは1人しかいない訳で…
「いふくん、家に居るかな」
あの人忙しいし、今日だって普通に仕事だろうし….
受け取ってもらえるだけでいいの、僕のこの気持ちもそのまま。
「あ”ーー!!もうなんか考えてもキリないし、いふくんの家にでも置き配しよう!」
「そしたら直接会って渡す必要ないし、!」
いふくんは人気者だしチョコいっぱい貰うんだろうし、、
と、意味の分からない言い訳を並べながら身支度をし、家を出た。
「うあ….寒ッ……」
到底2月とは思えない冷たい風を感じながら道中を歩く。
すると、遠くから赤色が見えた。
(ん、あれ….りうちゃん?)
近づくにつれシルエットがはっきりしてきて僕の知ってるりうちゃんの姿が見えた。
「あ!りうちゃん!!」
偶然会ったことに嬉しくなり声のトーンが自然と上がる。
[あ、ほとけっち!]
彼も今気づいたのか顔をあげてこちらを見つめる。
「偶然だね!何してたの?」
[えっとね…..ん〜….な、内緒!//]
「えぇ〜?何でさぁ〜〜」
まぁ、りうちゃんのことだし大体はないちゃん絡みなんだろうなぁ
しっかり聞き出すけどね〜♪
「どうせないちゃんのことでしょ?ニヤ」
[う”……////]
途端に顔が真っ赤になるりうちゃん。
結構可愛い。
「りうちゃん照れてる〜!笑」
[う、うるさいッ…!そう言ういむは?!//]
[そのラッピング、絶対まろ宛でしょ?]
「あ….」
どうせ置き配するからと手に持ったままでいたんだった。
「そ、そうだけど、置き配しに行くだけだから」
[置き配….?]
「そう、いふくん今日仕事だし、チョコどうせいっぱい貰うだろうからその中にでも混ざればいいかなって、」
[え〜?こんなに綺麗にラッピングもされててほとけっちの気持ちがいっぱい詰まったチョコを…?]
「うん、僕は受け取ってくれるだけで満足だからさ♪」
「じゃ、僕行くね、?ニコッ」
[え?あ、うん、!じゃあまた!ニコ]
このチョコは本命でも義理でもいい。
ただ受け取ってほしいだけだから。
それがたとえ僕からだと知らなくても。
「…..いない、よね?」
彼の家の前まで来たはいいものの、どうやって置くか…..
「あ〜、普通にポストに入れちゃえ、!」
ドアのすぐ近くにあるポストにチョコを乱雑に入れ込む。
「ふぅ……これでよし、」
これで僕の任務は完了したかと思えば…
『いやこれの何がよしや、』
後ろから出来れば1番聞きたくなかった人の声が聞こえた。
反射的に後ろを振り返るとそこにはスーツ姿のいふくんの顔がすぐそばにあった。
「い、いいいいいふくんッ?!?!////」
マズイマズイマズイッ、こんなはずじゃなかったのに…!
なんとか、弁解しないとッ…
「あ、あの!これは、、た、頼まれた…から、!!」
『ふーん?誰に?』
「え、と….それはぁ…..」
段々と口籠る声が小さくなる。
いふくん、怒ってるよね
勝手に自分のポストにチョコなんか入れたら迷惑でしかないよね
そもそも不仲相手からチョコなんか貰いたくないか
「…….ごめんいふくん。」
「この事は忘れて、」
そう言ってポストに入れたチョコを取り、走っていふくんの横を通り抜けた。
後ろから名前を呼ばれた気がしたが、今の僕は立ち止まれそうになく、必死に走った。
無我夢中に走って走って走って、
気づけば知らない道に居た。
「あーあ、失敗しちゃったなぁ…」
涙が自然と頬を伝う。
「受け取ってもらえるだけで、良かったのになぁッ…」
もうこれからどんな顔していふくんに会えばいいんだろう。
今僕の手の中にあるチョコが酷く重く感じる。
「…..もう、こんなのも要らないよね….」
ゴミ箱に捨てようとした手を不意に誰かから掴まれた。
『おいッ…誰が要らないっつったんだよッ….』
「…..いふくん」
彼の息が荒い様子から僕を必死に探してくれたんだろうな…
ばか、また好きになっちゃうじゃん、
「でも僕、いふくんに嫌な思いさせちゃったもん…」
『はぁ??俺が?』
「うん、だからお願い、離して」
『やだ。そのチョコ、俺のじゃねぇの?』
そう言って顔を覗きこんでくるいふくん。
今1番いふくんに見られたくない僕の顔。
絶対涙でぐちゃぐちゃだもん、顔
そうだよ、いふくんのだよ、いふくんのために作ったの
「…..そうだよ、だから捨てるの」
『捨てるって….俺はほとけのチョコすごく欲しい、やから捨てるとか言わんで』
僕の手をいふくんの方に回し、軽く抱きしめられる。
僕にはその行動がまったく理解出来ない
もしかしたらいふくんも….みたいな馬鹿な妄想をしてしまう自分が出て来てしまうから
「…..ごめん、なさい」
「いふくん、嫌かと思って….」
『勝手に決めつけんな、嫌か嫌じゃないかは俺が決めるから』
やっぱり僕の好きな人はどこまでもかっこいいなぁ…笑
「じゃあ…あげていいの?」
『おん、ほとけからのチョコ欲しい』
「えっと…..」
まさか渡すことになるとは思いもしなかったからなんて言えばいいか分かんない
気持ちを伝えるのは無理….かな、
「ハッピーバレンタイン♪いふくんっ!♪」
今出来る精一杯の笑顔をいふくんに向けて言った。
そのチョコを笑顔で受け取ってくれる彼。
『…..これ義理?』
「さぁ…..?どっちでしょうかね〜…..///」
さすがに本命だって言うのは僕にはハードルが高すぎて曖昧な返しをする。
『ふーん….俺は本命がいいんやけどな』
「ん、えッッ…..?////」
彼の思いもよらない発言により一瞬で僕の脳はキャパオーバーを起こす。
「え、?あッ….ん、ぇ…?/////」
脳をフル回転させ、いふくんの言った意味を理解しようと試みる。
あ、、そうだ、きっとこれはいふくんのジョークだ、あの人いっつも僕のこと揶揄ってくるし…
じゃあ、僕だって….!
「いふくん、本命か義理か、どっちがいい?♪」
『本命で。』
一瞬の回答すぎてまた僕の脳はキャパオーバーを迎えた。
____どっちがいい?____
end
おまけ。
『てかほとけ指切っとるやん。』
「あー…チョコ切る時にね、笑」
『俺が舐めて治したるわ』
「いふくんそれはキモイ」
『………』→何気にダメージ受けた
コメント
5件
最後のおまけ好きすぎるッ、 尊すぎやろおおお!! 即答で本命で。って言ってんのも神ッッッ
んだよ尊いなッ?! 🤪くんジョークとかじゃなく普通に本命欲しいって言ってんのマジ神ッ ちなみに私は好きぴ居ないんで友チョコしかあげてません((