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桜猫
101
秋の夜。
月影の森には、鈴虫の声だけが響いていた。
その森の奥、小さな神社の屋根の上に、一匹の白い狐が座っていた。
九本の尾が、月明かりに照らされてゆらゆらと揺れる。
白夜「……今夜も、綺麗な月。」
そのとき。
ガサッ。
白夜「……ん?」
茂みの向こうから、小さな足音が聞こえた。
千歳「……あれ?ここ、どこだろう。」
白夜は静かに屋根から降りた。
千歳「あっ……狐?」
白夜「…………。」
千歳「しっぽ、いっぱいある……!」
白夜「……見えるの?」
千歳「うん!」
白夜は少し驚いた。
人間に自分の姿が見えることなど、何百年ぶりだろう。
千歳「ねえ、君のお名前は?」
白夜「……白夜。」
千歳「そっか!僕は千歳!」
少年はにっこり笑った。
その笑顔を見て、白夜はふと思った。
――この森に、もう少しだけ誰かがいてもいいのかもしれない。
コメント
1件
うわ、第1話からめっちゃ雰囲気いいね…!月明かりに照らされた九本の尾、ゆらゆら揺れる描写、一瞬で情景が浮かんだわ。千歳くんが「しっぽいっぱいある!」って純粋に驚くところ、白夜が「見えるの?」って聞き返す間とか、お互いの距離感が絶妙。ラストの「もう少しだけ誰かがいてもいい」って白夜の心の変化、めちゃくちゃ沁みた。この静かで優しい始まり方、すごく好き。続きが気になる🔥