「はぁ。疲れた。」玉緑は筆を置きため息をつく。
「玉緑様。頑張って下さいね。」ふふと笑う月色から圧が伝わる。
(言う事は簡単だけどね。そしてこの昭容妃が毎夜起きて塀の近くで舞っているというのが気になるな。)
「こちらでしたら、西側の塀に毎夜いるのいう事です。」
「でも、それ心の病じゃん。下賜とか考えないのかな?わざわざ仕事増やすような事をして意味わからん。」玉緑と月色の話声を聞いて仙は砕けた口調で言った。
「仙さん、その口調はいただきませんね。」ニコニコしながら言うが圧が凄い。
「すみませんでした。」仙もその圧に負けて謝っていた。
「西側の塀ねえ、、。今晩行ってみようかな。」
・・・
満月がきらきらと輝く夜にガタガタと馬車が揺れる。
「玉緑様、本当に行くのですか?」不安気な顔が玉緑の前にくる。
「え?なんの事月色。」
「はあ。西側の塀の事です。流石に今晩は遅くなるので行くのはどうかと。」ため息混じりに言う。
「大丈夫だよ。」
「そうです、か。」
そこで馬車が止まる。
玉緑と月色は馬車を出て外廷にある宮───家を見上げる。
「、、此処に来て3年か。早いな。」
「そうですね。では私は一旦家に帰って支度を済ませますね。」
月色はもう一度馬車に入ると馬車はガタガタと走って行った。
・・・
玉緑が宮に入り食卓に座るとと三十路の元気な侍女頭が走って来た。
「今日も遅かったですねぇ。」
と侍女頭は玉緑の前に粥などの食べ物を置く。
「仕事が忙しいから。」
「そうですか。でも必ず帰ってきてくださいね。」
侍女頭がそう言うと台所へ行った。
(侍女が1人ではやはり大変そうだな。もう1人くらいいた方がやはり良いか。)
玉緑は黙々と食べ始めようといた時、
「玉緑様、お客様が来ましたよ。」
「はあ。追い出してくれ。」
「それが右丞相なんですよ。」
「わかった。通してくれ。」
「こちらです。」
侍女頭がそう言うと凛々しい青年が部屋に入って来た。
(いつ見ても青年のようだな。実際は三十路手前だけど。)
そう思うと右丞相はにこっと笑った。
「玉緑様、お約束通りに支度を済ませて来ました。」
「うん、早かった。」
「女装姿から通常姿に戻るのは慣れたので。」そう言い、苦笑いをしている。
そう、右丞相の花水と後宮管理人のお目付け役───月色は同一人物だ。というのも、皇帝の指示でしているから可哀想すぎる。でも女装姿が似合いすぎて人気のは何故だと思う。
「ふふ。お褒め頂きありがとうございますね。ふふ。」
「、、言ってしまったか、、。」
「はい、はっきりと。」
「はあ。では行くか。」
「はい、今夜も西側の塀に居るので早く行きましょうね。」
↓
(帰りたいと思っているな。まあ、仕事が溜まっているからな。可哀想な方だ。)
そう思いながら立ち上がり、歩き始めた。
((遅れてすみませんでした💦))
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!