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年が明けて三ヶ日が過ぎた頃.

「あけおめおじさん!!」

「おめでとさん.」

初詣に行くのと菊田の家にお泊まりさせてもらうという約束をしていた2人.今日がその日である.

◯◯さん菊田の妻は??」

「車で待ってるよ.」

菊田は部活の練習でいない🌸の姉の分のお年玉を🌸の母に預け,🌸は揚々とリュックを背負って外に出た.

「◯◯さん明けましておめでとう!!」

「おめでとう.🌸ちゃん,見ないうちにずいぶんお姉さんになって.今年で高2だっけ??」

「うん!!」

そっかーとしみじみ答える◯◯.走り出した車内で3人仲良く行きたい場所や食べたいものを決めて順番に周った.

「お邪魔します.」

「ちょっと散らかってるけど、ゆっくりしてってね.」

「(これが,散らかってる…??)」

と整頓されお洒落な家具が置かれているリビングを横目に,◯◯に案内された和室に荷物を置く.

「🌸ちゃん,お先にお風呂どうぞ.その間にごはんとか用意しとくね.あなた,後でお布団敷くの手伝って.」

と2人にそれぞれに言伝てする.

「わかった.じゃあお先にお風呂いただきますね.」

「シーツカバー取ってくる.」

🌸と菊田はさっそく行動に移った.

夕食時.

「🌸は大学に進学するのか??」

「うん.でも,興味ある学部が県内にないから,県外に行くかも.」

「何勉強するんだ??」

「心理学.」

「意外ね.🌸ちゃんは声優になるかと思ってた,アニメ好きだし.」

「いやぁ.観るのと声優さんは好きだけど,自分が演じるとなると自信無いなぁ.でも,心理学も一応アニメ繋がりで勉強しようと思ってる. 」

「まさかあのアニメ繋がりか??」

「そうそう!!考察本で心理学が引用されててさ,ついのめり込んで読んじゃった.」

「アニメきっかけで心理学勉強するって,なかなか斬新だな.」

「🌸ちゃんらしくて良いじゃない.」

🌸の学業のことや流行りの話で盛り上がり,宴も酣なころ.

「子どもはそろそろ歯磨きして寝なさい.」

「えー??まだ10時だよ??」

「ウチは夜更かし禁止です.」

菊田に促され渋々🌸はスマホから顔をあげて,席を立った.

「じゃあお休み~.」

となんやかんやであくびする🌸に,菊田も◯◯もおやすみと声をかけた.

とはいえ,ながらスマホがやめられず.かれこれ日付けが変わりそうな頃….

「(何の声…??)」

やっと寝ようと思ったところに聞こえてきた謎の声.よく耳を澄ませた🌸はぎょっとした.

「(あの2人…シてる!?)」

確かめたくてふすまを少し開ける.そうすると声は先ほどよりクリアに聞こえ,ベッドが軋む音も聞き取れる.

「(なんでこのタイミングでするのよ….)」

とショックを受けながらも,漏れ聞こえる声に耳を傾けながら疼く身体に手を伸ばす.

「(早く終わって!!)」

手を動かすのを止められず.変な気持ちになりそうな寸前でリビングに明かりが灯り,2人の話し声が聞こえてくる.

「ベランダで一服してくるよ.」

確かに菊田はそう言って,🌸のいる和室方へ歩いてくる.🌸は急いで布団に潜り,時が過ぎるのを待つ.

「(今のうちにトイレ!!)」

我慢の限界でついに行動に出る.鉢合わせないように,音を立てないようにそそくさと済ませて布団に潜った.

「(おじさん戻ってきた….)」

足音に耳を澄ます.🌸のいる和室の前で足音が止み,ふすまの開く音が.

🌸は固く目を瞑りながら,気配だけを伺う.

ゆっくりと近づく足音.すると菊田は枕元に片膝をつき,そっと🌸の頭を撫でた.

「すまん,起こしたな.」

驚いて自分を見つめる🌸に菊田は小声で謝る.

「まだ寝てて良いんだぞ…!?」

何を思ったか.🌸は起き上がった勢いで菊田に抱きついた.

「…っと.怖い夢でも見たか??」

体勢を崩しながらも,🌸を受け止め優しく包む.

「違うの.おやすみって言いたかっただけ.」

「そっか.じゃあ,おやすみ.」

「おやすみなさい.」

数秒見つめ合ったのち,お互い体を放す.

「(あれもこれも全部おじさんのせいだ…!!)」

ただの親戚のおじさんだと思ってた🌸の感情が揺らぎ始めた….

蛇がとぐろを巻くように

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