テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
みんなで夜通し調べ、目的の奴らを見つけ出した。
誰かなんて簡単に見つかった。
「俺らに恨みを持つ人間でもあり、無関係でもある」
まとめ上げた4枚の紙。
「1人は俺らが消した奴の友人。類は友を呼ぶだね」
しにがみくんの調べたものに目を通す。
「この2人はその類友の類友です」
ぺいんとが2枚の紙を並べた。
「残り1人は、トラゾーに付き纏ってた奴」
かなりきつく釘を刺したはずなのに。
急にいなくなったから諦めたかと思ったのにこいつらとグルになって、トラゾーに…。
最後の1枚を睨みつける。
「…殺しとけばよかった」
「確かに」
「きつく釘を刺してるとこトラゾーさんに見られそうになったから、逃しちゃったんですよね」
「ああいう卑怯で下劣な人間は逃げ足だけは早いんだよ」
頭の悪そうな人間たちだ。
見た目で言えば、それなりに周りから持て囃されるだろうけど。
人間性が終わってる。
調べれば調べるほど、こいつらの悪行が出てくる。
キリがないくらい、やってない犯罪はないのではないかというくらいに。
今まで逃れることができていたのは1人目の親のおかげか。
「クズですね」
「女子供も関係ねぇ。それこそ依頼のこいつら被ってます。しかも、ともさんたちがかなり困ってる案件の奴らでもありますね」
「じゃあ、ちょうどよかった。一気に片付けられるね」
俺らが大切にしてきた人を傷付けたのだから。
死ぬ方がいいと簡単には思わせない。
「まず、誰が誰を殺る?」
「俺はこいつで」
ぺいんとはしにがみくんが調べ上げた奴。
消した奴の友人とかいうやつ。
見た目は優男のような感じなのに、こいつが1番してることがクズだ。
「じゃあ、僕はこいつ」
しにがみくんはぺいんとが調べた奴の1人。
類友の類友。
明るい髪色にどちらかといえば爽やかな顔をした青年。
この中では1番の年上。
「それじゃあ、俺はこいつ」
俺もしにがみくんが調べた残ったもう1人。
さっきの2人に比べて大人しそうな見た目であるが、やることやってるクズだ。
腰巾着のようなもの。
虎の威を借る狐、というやつだ。
おそらく最初はこき使われてきたのだろうけど、段々と自分の力のように威張り始めたのだろう。
最後の1枚。
探し物を手伝ったトラゾーに一方的に好意を抱いて、勘違いまでして付き纏っていた男。
この4人の中で女性には困らないであろう、顔をした奴。
トラゾーは優しいから付き纏われても、何度も何度も口説こうとしていた男に困っていた。
強く言い返せなくて、自分のような人間を好いてくれてるから…と無碍にできずに困惑していた。
そんな優しいトラゾーを悩ませて、俺らのこと以外で困らせたこいつは許さない。
「…こいつは、誰よりも許さない」
「みんなで殺りますか?」
しにがみくんが写真を指差して言う。
「簡単には、殺さねぇ」
ぺいんとの怒りを濃縮したような低い声。
「うん。地獄の方が生温いって思わせようか。あの時、諦めていたらって後悔しながら死ねばいい」
ぐしゃりと紙を握り潰す。
こんな紙のように簡単に潰させやしない。
「俺ら”の”トラゾー泣かせて、生きていけるなんて思う方がすげーけどな」
「そうですねぇ。僕たち”の”トラゾーさんを傷付けて自分たちが無傷で済むと思ってる空っぽな脳にある意味敬意を感じますよ」
「俺たち”の”トラゾーに触って、汚した人間は誰であっても生かさない。老若男女問わず」
俺らにとって周囲の人間は、トラゾーか、ともさんたちやらっだぁさんたちような信頼のおける味方か、その他有象無象だけだ。
ぐしゃぐしゃになった紙を広げる。
シワのせいで載っている奴の顔は歪んでいた。
現実はもっと歪んだ顔になるだろうけど。
「…もしトラゾーさんに僕たちのしてること知られたらどうしますか」
「そん時はそん時だよ。トラゾーに”きちんと説明”して分かってもらえばいいんじゃね?」
「トラゾーなら”分かって”くれるよ」
俺らが、見つけた、大切な人だから。
きっとトラゾーは俺らから離れられない。
トラゾーが恐れていることは俺らに嫌われることだと、俺たちは知っているから。
だから、俺らが離れることは永遠にない。
「トラゾーをそういう風にしたのクロノアさんじゃないですか」
「え?…口に出てた?…うん、まぁそうだけど」
「心配しなくたって僕たちトラゾーさんのこと嫌いになんかならないのに」
自分のことを汚いと思ってるであろうトラゾー。
「俺たちの責任でもあるし、トラゾーのこと綺麗にしてあげなきゃね」
「体の傷も治してあげないといけませんし、心身を癒すことは大切ですからね」
「てか、しにがみお前役得すぎねぇか」
お風呂に入れたことを言っているのだろう。
俺もあとでトラゾーの体を確認しないと。
「は?いや、あんたらの怪我の治療してんの誰だと思ってんだ」
睨み合うぺいんととしにがみくんを制して話を戻す。
「まぁまぁ……とりあえず、こいつらを消す方法は各自任せるよ」
「「はい」」
ぐしゃぐしゃになった紙を3人で見つめる。
「こいつは捕まえて考えようか」
「捕まえてる間、トラゾーどうします」
1日で終わらせる気はない。
トラゾーが味わった苦痛を何十倍何百倍、いや、言い表せないほどにして返さなければならないから。
「とりあえずともさんのとこにいてもらおうかな」
「まぁ、そこなら安全ですしね」
トラゾーも信頼を置いてる人だし。
何より俺らのことを知って、”無かったこと”にしてくれる人だから。
「とりあえず、ぺいんとはともさんのとこに連絡お願い」
「了解っす」
「しにがみくんは上手にトラゾーのこと連れ出して、ともさんのところに連れて行ってくれる?」
「了解しました」
俺らの目からすっと光が消える。
「さぁ、…片付けといこうか」
「「はい」」
俺らの大切な人を傷付けた代償を払わせる為に。
コメント
6件
「俺ら" の "トラゾー」っていう言葉がもうほんとに好きです ! 更新も早くてほんとに羨ましいです 🔥
trさんを愛してるからこそtrさんを傷つけるものには徹底的に… krさんたちらしいですね まぁtrさんを傷つけたし当然か!♪
うーーん…。 あんま気乗りしてないから、文章もおかしいしなんかグダってるな…~_~;