テラーノベル
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6周年記念青桃 !!!!
0時になった瞬間にポストをするボタンを押すと開かれるTL。その光景は全部ピンクで埋め尽くされていて、幸せな気持ちに浸る。イラストに祭壇に…なんだこれ、動画? 様々な方法で俺の活動周年を祝ってくれるリスナーの姿を見ていると配信中だというのにニヤケが止まらなくなる。
もっとみんなを幸せに、みんなをもっと笑顔にしたいから俺は6年も続けられた。
そのみんなの対象は一体誰だろうか。リスナー?生きるのしんどくなってるオタクでもなんでもない一般人?同業者?音楽が好きな人?きっとどれも全部が正解で不正解。きっと飽き性な俺が続けられたのは背中を押してくれる仲間がいたから。
「…じゃあ、また夜。 おやすみ」
配信を切るボタンを押し、ふぅと一息をつく。そのまま眠りにつくのではなくアプリを立ち上げて、俺のお祝いの投稿をじっくり眺める。リスナーだけじゃなくて他の活動者、メンバーとか色々な人から祝ってもらえてそれを見るだけで嬉しさが込み上げてくる。
一通り、見終えたあと更新ボタンを押せばきっとまだまだたくさんのお祝い投稿があるのを見るのを辞めて、次は別のアプリを開いたり、LINEなどの活動者同士からの返さなければならないメールなどを返したりすることを優先とする。…その中通知を見漁っている時、一通のメールが目に留まる。
「…ぁ、…んふ」
そのメールを送り先は俺の相棒でもあるまろ。あいつ、さっきのアプリでも祝ってくれてたのに個人の方でも祝ってくれてるんかい。と思って開いたけれどその内容は表には出せないほどの奥深いたった一言で。おめでとうでもない、いつもありがとうの一言だけ。
それに俺も、こちらこそとだけ返してやるとすぐに既読ついたのを確認して他の活動者に返信する。
そんなこんなしてるといつの間にか時間が過ぎていくというものはあっという間で、朝を迎える。リスナーの投稿をずっとずっと見ていると幸せな気持ちが満潮に満ちて。涙がこぼれ落ちた。
別に疲れてるわけではない、幸せで涙するなんて一体いつぶりだろう。忙しくて、責められて、否定されてきた人生をこんなにもたくさんの人が俺のやることに肯定してくれる。そんな幸せが俺にあっていいのかでさえ思ってしまう。
そんなとき、1番に欲した声はリスナーじゃなくてやっぱりあいつだった。衝動的に電話をかけると1コールで出てくれる。そのまま、あいつのもしもしという声に声を殺して俺は涙を流す。涙は流れてるのに息をできなくなるくらいじゃなくて話しながら鼻をずずっと啜ってると、あいつはごめん切るって謝って電話を切られた。
その後は特にやることもなくて、配信までに落ち着けるようにってたくさん泣いといた。配信のときに泣いちゃったらリスナーに迷惑かけちゃうからね。
インターホンが鳴る音が聞こえてガンガンする頭に耐えながら玄関の扉を開けると、そこに立っていたのは俺が1番求めていた青色だった。
「やっほ、ないこ」
優しく俺に微笑みかけてくれて、そのまま俺の腕を掴んでリビングへと連れて行く。そのまま俺のソファに座ると俺のことを優しく抱きしめてくれる。…別に病んだりとかしてるわけじゃないのに、なんでこんなに優しくするんだよ。
「幸せよなぁ、こんなに幸せになっていいんかって思う気持ちすーごいわかるで。俺もそうやったもん」
優しく背中をとんとん叩いてくれるまろの肩に頭を埋めては俺の涙でまろの肩を濡らす。それを気にせずにずっと抱きしめてくれると俺も落ち着いてきて涙が止まり始める。
「古参が慰めてくれる気分はどう?」
「推しに慰められてるので光栄です。」
「推して…」
苦笑い気味にそう呟くまろにしがみつくように抱きしめているとまろはそのまま俺の方を見ようと少しだけ顔を後ろに持ってきてそのまま、俺の顔面へと近づけては唇が触れ合う。
「これからもよろしく、まろ」
「おう、任せとけ」
end
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