不破side
[はぁ、はぁ、はぁ]
どのくらい走ったっけ
[はぁ…っ、はぁ]
どこまで走るんだっけ
“女性が怖い?そんなのおかしいよ!”
“どうせちょっと嫌な思いしただけでしょ?”
“そんな大袈裟な笑”
今まで言われてきた言葉の数々が
自分の頭の中に響く
やめて、やめろ
なにも知らないくせに
理解しようとしないくせに
お前らにはわからないくせに
どうせ誰にも理解されないんだ
恐怖症なんて、みんな意味はわかっていても
実際の気持ちはきっと理解していない
どれだけ辛いのか、みんなは知らない
そうして無責任な言葉を投げかけてくる
今までも、ずっとそうだった
そんな時支えてくれたのは理解者だった。
俺の辛さを唯一わかってくれる、ヒーローみたいな存在
他の誰にも理解されないようなことを
知った上でそばにいてくれた存在
だった、のになぁ…
認めたくなかった
明那がバラしたなんて
でも本人が認めたんだ
そんなわけないって、
嘘だって思いたかったのに
[はぁっ、はぁ]
あぁ苦しい
走りすぎたからかな
それとも、大好きな人が裏切ったからかな
苦しい。悲しい。辛い
だってずっと、俺は明那のこと信用してた
大好きだった、信頼してた
それに、
愛してた
彼に笑いかけられるのが好きだった
呼吸が苦しい時に背中をさすってくれる温かい手が好きだった
今もまだ
愛してる
[は、ははっ、]
大好き。愛してる
裏切られたのにまだ、ずっと…
嫌いになれない。
すき、すきっ、すき
[だぃ…すき、]
もしかしたらずっと俺のことを馬鹿にしていたのかもしれない
裏で俺のことを嘲笑っていたのかもしれない
だからバラしたのかもしれない
それでも今まで俺を支えてくれたこと
励ましてくれたこと、そばにいてくれたこと
その行いは全て嘘じゃないから
俺が見てきたかっこいい彼は
嘘じゃなかったから
たとえ君が俺のことを嫌いでも
俺はずっと大好きだよ
[はぁ、はぁっ、…]
俺は走っていた足を止める
そうだよ、俺は彼のそばにいたい
彼が俺を、たとえ形だけでも理解しようとしてくれたように
俺も彼を受け入れてあげなきゃ
[話を…聞こう、]
たとえそれが苦しいものであっても
自分が傷つく内容であっても
彼のために。
だから俺は
選択肢
▶学校へ引き返し、会いに行く
▶明那にスマホで連絡を入れる
コメント
3件
両方書くとか神ですかね…
選択肢形式でendを変えることにしました!次に2話同時に出すので、自分の選択したルートのお話をお読みください🙇ちなみにどちらかがHappyENDどちらかがBADENDになります😆