lo視点
?「ゾム、こっちや!」
ゾムって誰?
?「へいへい、ゾム〜この程度か?」
本気出してないだけやし、出せないだけだ
何故か、こいつらを殺したくなくて、体が躊躇う
赤いマフラーを着けた奴に攻撃が当たった時も嬉しいはずなのに、悲しみがこみあがってきた
?「ゾム、ごめんな」
赤いマフラーの彼が謝る
なんで、謝るん?
?「ゾム!」
ニット帽の彼が祈るように叫ぶ
ゾムって誰なん?
分からない、分からない
いや、本当は分かってるんだ
記憶がなくて、b国の奴らに俺たちが助けたって言われ、信じた
居場所のない俺を救ってくれたんだって
でも、それにしてはおかしくて
アイツらは俺に必要最低限の食事だけを与え、俺に幾つもの任務を与えてきた
任務は単独では絶対に無理なものもあって
任務に失敗すれば、殴られた、蹴られた、躾られた
いつしか、失敗しなくても殴ってきて
痛くて、痛くて、逃げ出したくて
でも、ここ以外に居場所がないから耐えるしかなくて
ずっと、ずっと耐えた
これが普通なんだって思い込んで
周りの人がその仕打ちをされてなくとも
少しの違和感を気にしないで、疑問を振り払って、
感情を消した
きっとこいつらの言う「ゾム」は俺なんだ
でも、その時の記憶がないから、確証がないんや
それでも、信じたい
そう思えてん
赤いマフラーの彼が笑ってる姿を見た時に、
ニット帽の彼が悲しそうな顔をした時に、
あぁ、こいつらは俺の仲間なんや
大切な人だって分かったんや
?「ッ、ここや!」
拳が、首目掛けて落ちてくる
避けようとは思わなかった
記憶、、、か
忘れてしまった俺でも、大切にしてくれるんかな
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