テラーノベル
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どこか自分は、と3人を離れて見ていたトラを俺は見ていた。
そして、付け入る隙を見つけたと。
機材トラブルで今回の動画参加できないかもしれないと律儀に俺に1番に連絡してきたトラ。
チャンスと思った。
ここでぺいんとやノアに連絡していれば、よかったのに。
無意識にあいつらから距離を取ろうとしているのか、まぁ真面目が故の連絡だろうけど。
チーム分けも正直ラッキーだった。
浮かない顔をするトラに良い人ぶって話をかける。
言った通り、そこの部分だけはミュートにして。
ぽつぽつとトラから語られる思い。
付け入る隙は思った以上に大きくて。
寂しい、そんな表情のトラに。
「(捕まえれる)」
そう思った。
そして、捕まえたと思った。
他者からの好意に鈍そうな、謙遜しているからこそ言葉にして行動で示した。
「そういうとこ、みんなが好きなんじゃね?」
「っっ、…そうですかね…」
トラは案の定戸惑っていた。
「俺もトラのこと好きだし」
「え、?…俺もらっだぁさんのこと好きですよ…?」
キスしたのに、真意に気付かない鈍感なところも可愛い。
よく回る頭の中で何を考えているのかは分からないけど。
「……この辺で角笛吹いてみるか?」
ただ、どんどんと逃げ場をなくしていることにトラは気付いていない。
「⁇⁇…そうですね。じゃあ、吹いてみます」
低い音が画面の中で響いた。
「ん…?なんか向こうの方で聞こえますね」
「近付いてもっかい吹くか」
途切れ途切れであいつらの声が聞こえ始める。
トラがもう一度吹くと、返答するように角笛の音がした。
「あっちだな。行くぜートラ」
「はい」
操作しながら山のようなものを超えて行くと、少し離れたところで黄色い頭を見つける。
「あぺいんとだ」
「ヘボ死したりしねぇよな…あいつ」
どうやら敵モブに囲まれてるようで戦っている。
その慌ててる様子に、別の意味でこれから慌てるであろう光景が目に浮かんだ。
「どうでしょう。……どうします?助けに行きますか?」
「うんや、様子見てよーぜ」
困惑しつつ、どこか安堵したような表情のトラ。
「…まぁ俺も死にたくないですし、そうしましょうか」
「おぉい!!全部聞こえてんぞ!助けろよ!!」
「余所見してると死ぬぞ、ぺいんと」
「だったら助けろし!」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!僕が死ぬ!!ハートあとみっつ!!」
「頑張れーしにー」
やっぱりと思ったのか降りようと操作しようとしたトラの手を止めるために握る。
「!!」
「トラ、ダメだって」
「や、だってしにがみさん死んじゃいますよ。またやり直しに…」
意図して俺はトラの指の間をなぞるようにして握った。
「ひ、ぇ…ッ」
「トラゾー?どうかした?」
どうにか敵モブを一掃したノアが心配してトラに声をかけている。
「え、ゃ、なんでも…」
手の動きを止めないでいると、俺を睨みつける焦った可愛い顔。
緑の目は潤んでいる。
「そんな顔で睨んでも可愛いだけだって」
だから、あいつらにトドメを刺すことにした。
当たり前だと蔑ろにしてきたこいつらに。
「「は?」」
ぺいんととノアの低い声。
「え?トラゾーさん、らっだぁさんと一緒にいるんですか」
しにーがどういうことだと聞いてきた。
「あ、うん。俺のとこ機材壊れたんか動かなくて…先にらっだぁさんに断り入れとこうと思ったら一緒にって」
「そーいうこと」
爪をたてればびくりと肩が跳ねている。
もう、ほぼ俺の手の中に堕ちたものだと。
「集合できたな。いやーよかったよかった」
clearと画面に表示される。
それぞれがリスポーン地点に戻ったのを見て口角が上がっていく。
「今回は真面目にできたな。お前たち偉い偉い」
「いや何様。つーか、トラゾーに何もしてねぇよな」
「はぁ?お前じゃあるまいし」
繋いだままの手。
「は…離してください…らっだぁさん、擽った…っ」
「なぁ、トラ」
「はい…?」
俺はにっこり笑うとトラの手を引いた。
「うわっ」
バランスを崩したトラはゲーミングチェアから落っこちる。
「「「トラゾー(さん)⁈」」」
思ったより大きな音にあいつらから声がかけられた。
今更遅いと。
色んな意味で。
「この動画お蔵入りになるかもな。じゃ、俺ら先上がるわ」
自身を退出させた後、トラのも退出させた。
「らっだぁさん…?」
困った顔で床に座り込んでいるトラに合わせて座る。
「俺はトラのことひとりにはしねぇよ?」
逃げないように。
欲しがってる言葉を囁く。
「っ!」
「ちゃんと置いてかないように話も振るし、雑に扱ったりもしねぇよ?」
ゆっくり、逃げないように近付く。
何かを察したのかトラは後退った。
「ぁ、の…」
泣きそうな顔。
「寂しいとか思わせないし、お前のこといらないとか言わない」
トラが抱える柔らかい部分を包むようにして伝える。
「っ!」
壁に背中が当たって、逃げ場をなくしたトラを腕で囲い込む。
「あ…あ、…」
涙で揺れる緑。
その目に映る、悪い顔をした俺。
「あー、でも泣かせないってのはできんかったな」
ほっぺを伝う涙に遅れて気付いたのかハッとしている。
「泣くなって。できれば別の意味で啼かせたいけど」
全部を手に入れたい、暴いてやりたい。
守ってやりたい、隣にいてやりたい。
「、へんたい…っ」
こっちを唆る表情と煽る言葉に、逃がさねぇと内心で笑う。
「そーいうの、今言わないほうがいいと思うけど?」
顔を逸らしたことで、眼前に晒される首。
美味しそうなそこに噛みついた。
どこにももう逃げ場はない。
トラの感じる隙間を埋められるのは俺だけだと、刷り込んでいく。
「俺、トラの弱みに付け込もうとしてんだぜ?拒否んなら今しかねぇけど」
逃げ場なんてないのにこうやってわざと逃げることはできるんだと囁いてやった。
「…それは俺もです。らっだぁさんの優しさに逃げようとしてる」
ほら、もう俺の方に傾いてる。
「それは寧ろ大歓迎」
ホントに。
心の底から超大歓迎。
だからこそ蔑ろにしていたあいつらの、
ぺいんととノアの顔が浮かんで喉を鳴らす。
「あいつらの悔しがる顔が目に浮かぶわ」
「悔しがる…?」
「こっちの話」
さっきからずっと机の上では俺とトラのスマホが鳴り続けていた。
遅い。
全てが遅すぎるんだよ。
「はは、今更遅すぎだっての」
スマホは無視してトラの柔らかいほっぺを包む。
「トラ、」
「はい…⁇」
「好きだ。絶対ひとりにはしない。だから、俺と付き合って?」
おでこや涙目の目元に触れ、下へ下へと首筋をなぞるように軽く吸う。
「ひぅ…っ」
「トラ、返事は?」
「うぁッ」
ちゅっと痕を残す。
短い黒髪では絶対に隠せない首筋に。
片手を服の中に突っ込んで、思う以上に柔らかいけど弾力のある胸を撫でた。
「ッッ⁈」
同時に膝でトラのモノを刺激するようにして押してやった。
「ひゃ、っ、ぅンンッ」
高い、俺しか聞いたことない声。
刺激のせいで下半身から力が抜けたトラは、ずるずると身体が床にずれていった。
こつりと頭を軽く床に打ちつけて完全に床に倒れたトラを俺は笑いながら見下ろしていた。
床に縫い付けた手首は小刻みに震えている。
「トラ、返事ちょーだい?」
「ぁ…、う……ぉ、おれは……っ、…さみ、しいのは、……いや、です…」
絞り出すようにして出された声。
その答えが全てだった。
そこからは、何も知らないトラの身体を暴いて乱して埋めていった。
俺に必死で縋り付く可哀想なくらい可愛いトラは最後、無防備に心の底から笑っていた。
「つかまっちゃった…♡」
雁字搦めにして逃がさないようにして俺だけのモノになった瞬間だった。
───────────────
「ひ…ッ、も゛♡らっらぁ、ひゃ…っ♡、おれ、ぉなかっ♡、ぃっぱい、れすッ♡」
「まだ入るだろ♡?」
膨らむお腹を押さえると甲高い声が上がった。
「トラが、寂しいのは嫌♡って言ったんだから、ココいーっぱいにしてやんねぇと♡♡」
「はひッ♡♡、そ、ン…なっ…いぃかは、しへなぃ゛…ッッ♡♡」
真っ赤に染まる身体はどこを触ってもびくびくと小刻みに跳ねている。
「可哀想なトラ。俺なんかに捕まっちゃって」
「♡♡⁇⁇、お、れ、はッ♡、らっだぁ、さんじゃッ♡なきゃ、ゃれす…っ♡」
「ッッ〜♡、あはっ、そうだなぁ♡」
「♡、そ、れともッ…、やっぱ…ぅそ…⁇」
「んなわけねーって。俺、好きでもない奴にここまでやらんって♡」
ぐずぐずに溶けた緑の目には俺しか映ってない。
「ココ、も俺のことしか受け入れられんくなっただろ♡?」
ぱちりと瞬きをした後、ふにゃりと笑ったトラは震えながらお腹を撫でた。
「ココ、らっだぁさん、せんよー…♡♡⁇」
普段のしっかりした声と饒舌さなんてマジでどこに行ったと言わんばかりの幼い拙い言い方。
これを見れるのも俺だけだと思えば、ゾクゾクと背筋が震えた。
「───〜〜っ⁈、は、ッ♡うそっ♡⁈、まだッ、ぉっきくな…ッッ♡」
「俺のこと煽るのも喜ばすことも天才だな♡」
「へ、ッ♡⁇、そっ、な…んン゛…っ♡♡!!」
「お返しに、もっと悦ばせてやるからな♡」
隙間なく身体を密着させれば、やだやだと首を振るトラの赤くなった耳を噛む。
「ふ、ぁッ♡♡⁈」
「寂しくないように、しっかり埋めてやるからな♡?」
「ぃ、まッ…いうと、いみ゛♡ちがっ、…て♡きこぇ…ッ♡!」
「まぁ、ココしっかり埋めてるもんなー♡?」
「ひゃ゛ぅ゛うッ♡♡!!」
入り込んだソコを撫でれば、きゅうっと締まる。
「ふはっ♡トラの身体1日でこんなえっちになっちゃったな♡?」
「う゛ぅ〜〜っ♡、ぁん、た…がッ♡おれ、をこんなに、ッ♡したく、せに゛…!」
「だって、ずっとお前のこと狙ってたんだぜ?俺のとこに逃げてきてくれたのめっちゃ嬉しいもん♡」
溶けたというより蕩けた緑には俺だけしか映ってない。
こいつの頭の中には、もう俺しかいない。
「なぁ、トラ。ぺいんととかノアが俺とおんなじことしたらどうしてた?」
一瞬固まったトラは下がった眉を更に下げて呟いた。
「あり、えません…ッ、だって、おれは…さ、んにん…の、なか…ッッ、に、ほんとのぃみで…はいれなぃ…まして、や…こ、…こんなッ、こと…っ」
「でもノアなんかお前より年いっこ上だし、優しくしてくれるんじゃね?」
俺にしがみつくようにして抱きつくトラは首を振った。
「うわべ、だけの…ゃさしさは…こわい…ッ」
「日常組、楽しそうじゃんか」
「…くろのあ、さんも、ぺいんとも…しにがみさん、も…べつに…ぉれなんか、いなくても…たのしそう…だから…ッ」
「……そっか」
震える肩を掴んで、顔を上げさせじっと見つめる。
「そんな思いさせねぇからな?これからは俺がトラといてやるし、…こうやってトラの好きなことしてやるからな♡」
「な゛ッ、べっ、…べつに、すきじゃッッ、ぁ゛うっ♡!」
思う以上に深い穴はあいつらじゃもう埋めることはできないらしい。
「(まぁ、そう仕向けて俺の方に来るようにしたんだけどな)」
ただ思ったよりも、トラの抱えていた思いが深かっただけで。
俺はその穴をちょっと、より深くしただけだ。
「(あいつら考え方ガキだもんな。やっぱ好きな子はいじめたいってか?)」
「らだッ、さッ…かんがぇ、ごと…っ♡?」
「ん?俺?…俺はトラのこと考えてた♡」
「み゛ッ♡♡⁈」
何も出なくなったトラのをなぞると腰が震えていた。
「トラこそ、まだ余裕そうじゃん♡?」
「よ゛ゅうっ♡な、ん゛かっ、ないッ♡なぃ゛れす…ッ♡♡!!」
いっちばん奥を突いてやれば背中に回る手に力が入って爪が立つ。
「おあいこだな♡」
噛み跡の上にまた噛み跡を重ねる。
お互いがお互いに痕付け合って。
「ひ、あ゛ぁッ♡!」
トラのことを恋愛的に見てたぺいんととノアには、押してダメなら引いてみろと各々にアドバイスしてみた。
グイグイと前にいっても謙遜するトラが本気に捉えるわけない、と。
だからわざとちょっと引いた対応してみたら?と言ったのだ。
「(それを本気で試すとか、馬鹿かよ…まっ、そんくらいトラに本気だったんだろうけど。…俺はその裏をつかせてもらったつー話)」
「トーラ♡」
「ふ、ぇ…っ♡⁇」
「トラはもう、俺から離れないよな?」
「♡⁇、はなれ、ませッ、ん…ょッ♡⁇」
あいつらはトラにきっと俺に騙された、みたいな感じのことを言うだろうけど、何を言ったところで遅い。
「いーこ♡」
俺が優しく笑えば、トラは子供みたいに笑い返してきた。
「ふ、へッ♡…ほめられた…♡!」
ずっと、何も知らないまま。
そして、俺だけを信じたままの可愛い可哀想な俺のトラでいてくれよな。
コメント
9件
やばい最高すぎる😭 このままどんどん堕ちて、共依存まで行って欲しい…
ポン酢さんの書くtrさんって煽り上手でほんとにもう可愛すぎて...🥹 < らっだぁさん専用 >っていう天才的すぎる文見てまじ尊すぎて消滅しちゃいそうです ...
rdさん視点…✨!️ 個人的rdさんが思ったよりも策士でびっくりしました(まさか、krさんとpiさんにそんなアドバイスをしていたなんて…((((;゚Д゚)) trさんも気付かずrdさんに堕ちていくの可愛すぎます!💕 …よかったらなんですけどその後のお話とかって書いてくれませんかね?例えばrdさんとtrさんがkrさん達に出くわしたとか その後のrdさんとtrさんの日常とか…出来たらお願いします!!!