テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
リビングに入るとテーブルの上に、湯気が立っていた。
匂いだけで、少しお腹が鳴る。
【ころん】「はい、席ここね」
【莉犬】「あっきぃ、無理しなくていいからね」
椅子を引いて、座る。
周りを見ると見慣れない顔と、さっき名乗ってくれた人たち。
あっきぃ(……多いな)
【ななもり】「改めて!ななもりだよ。
長男だしいろいろ頼ってね」
落ち着いた声。
【さとみ】「さとみ。次男、高3。
お前らの先輩だ、よろしくな〜」
軽く手を振る。
【ジェル】「ジェルです!三男で高2!
気楽に過ごしてええからな」
関西っぽいイントネーション。
【るぅと】「るぅとです。中学3年生です
いっぱい食べてくださいね!」
にこっと笑う。
【あっきぃ】「……あっきぃです。高1です。
お願いします」
声が少し小さくなる。
【ななもり】「来てくれてありがとう!
これからよろしくね!」
その一言で、胸がきゅっとした。
【ころん】「じゃ、いただきます!」
【全員】「いただきます」
箸を取る手が、少し震える。
久しぶりだ。
誰かと、ちゃんと同じテーブルで食べるの。
大皿に盛り付けてある唐揚げを食べる。
【莉犬】「どう?味」
【あっきぃ】「……おいしい」
【さとみ】「それな、るぅと特製」
【るぅと】「えへへ」
【ジェル】「初日は華やかに派手にやんのが一番や!」
笑い声が、自然に混ざる。
しばらく、食べる音だけ。
……静かじゃない。でも、うるさくもない。
【ころん】「学校どう?」
【あっきぃ】「……普通」
【莉犬】「無理して言わなくていいからね」
【ななもり】「話したくなったらでいいからね」
あっきぃ(……聞かれない)
それが、こんなに楽だなんて。
【ジェル】「そういや、あっきぃ!部屋どうや?」
【あっきぃ】「……広い、です」
【さとみ】「よかった。落ち着くのが一番だからね」
【るぅと】「足りないものあったら、言ってくださいね」
【あっきぃ】「……はい」
返事が、少しだけ自然になる。
ふと、笑い声が重なる。
【ころん】「莉犬くん、それは取りすぎ!」
【莉犬】「えぇ〜、いいじゃん!」
【さとみ】「子どもかよ!ww」
【ジェル】「仲ええなぁ」
【ななもり】「まあまあ。まだあるからね」
その中に、自分も座っている。
……いる。俺が、ちゃんと。
食べ終わって、箸を置く。
胸の奥が、あったかい。
【あっきぃ】「……ごちそうさまでした」
【全員】「ごちそうさまでした」
【ななもり】「今日は早めに休もっか」
【ころん】「疲れてると思うし」
【莉犬】「お風呂、後で案内するね」
【あっきぃ】「……ありがとう」
今度は、ちゃんと声が出た。
あっきぃ(……ここにいていい)
そう思えた、最初の夜。