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そう聞こえた少女の声は、残響だった
その光景は、あまりにも衝撃的で、驚愕した
…私や鏡花ちゃんが驚いているのは目の前で殺人が起きたことでは無い。もちろん、その死体でもない。
私たちはこの殺人の驚異的な速さ、それに驚いているのだ。
そして私は、この男…いや、少女の姉に興味が湧いた
私は、彼女の持つ”技術”が欲しい。
「美しい女性、貴女の名前を教えてもらえませんか?」
私が持つ最大の笑顔を造りながら彼女に手を伸ばし、そう問いかける。
「 嫌 よ , 私 は あ の 子 の よ う に ち ょ ろ く は な い わ 。
あ ま り な め な い で ち ょ う だ い 。 」
強気な女性、ますます良い、でも残念。状況把握、判断能力が欠けているようだ。
「…残念だよ」
私はそう呟き、彼女を撃つ。
これでも元マフィア幹部なのだ。銃の扱いには慣れている。
「さぁ、行こうか、鏡花ちゃん」
「…うん」
死体を放置し、鏡花ちゃんの手を引き帰路に着く。
これで、私の劇は終わり。
中也じゃないことが分かったし、犯人も倒せた。
全て終わったのだ、今回は少しばかり疲れてしまった。
「鏡花ちゃん、今日はもう家に帰っちゃおうか」
「まだ依頼の完了報告してない…」
えぇ?というような顔で私を見つめてくる。
思わず笑ってしまった。
「冗談、さ、探偵社に帰ろうか」
言葉に緩急を付け、強弱を付けて、発した言葉。
「うん」
今度は素直な笑顔で、そう言われた。
仕方がない、帰ろう、探偵社に。
「───中原中也を、殺してくれ」
探偵社に帰った時に聞いた、第一声。
「…依頼のようだ」
静まり返った社内に響くのは、そう云った国木田くんの声だけだった